浜に5輛の華が咲く~亀崎潮干祭
半田市亀崎地区の神前神社(かみさきじんじゃ)の春の祭礼で、5輛の山車が引き潮の浜に曳き下ろされることから「潮干祭」と呼ばれます。
3月中旬に乙川地区に始まった半田市内各地の春祭りは、この潮干祭でいよいよ大詰めを迎えます。
曳き出される5輛の山車は、亀崎がかつて醸造や海運で栄えたその財政基盤で工芸文化の粋を集めて作られた山車であり、この地方の山車祭礼の中心的存在となっています。
山車は諏訪の名工立川和四郎冨昌や常蔵昌敬の立川流、尾張藩御用の早瀬長兵衛を初めとする瀬川治助、新美常次郎(初代彫常)らによる精緻な彫刻で彩られ、山車幕は著名な画家の下絵による豪華な刺繍が施されています。
山車の前棚と上山には、それぞれからくり人形を乗せ、なかでも竹田からくりの生きた化石と言われる「傀儡師」や桜の枝を次々に渡る「綾渡りのからくり」など、各所で奉納されるからくり人形も見所のひとつとなっています。
この亀崎潮干祭は古くからの祭りの伝統が受け継がれた歴史ある祭りとして認められ、平成18年(2006)に「亀崎潮干祭の山車行事」が国の重要無形民俗文化財に指定されました。
また平成28年(2016)には全国33件の「山・鉾・屋台行事」のひとつとしてユネスコ無形文化遺産に登録されています。
・国重要無形民俗文化財
・ユネスコ無形文化遺産登録
・愛知県有形民俗文化財