■大幕「波上に勇む青龍の金刺繍」
尾張地方においては定番ともいえる猩々緋の大幕の中で、一際目を引く青龍車の紺地幕です。
文化年間に建造された旧車に付けられていた幕を買い戻し、大正9年(1920)に意匠を白羅紗幕に復元しました。
その後白地を当初の青地に総刺繍する計画でしたが、戦争・伊勢湾台風など多々の理由により計画は棚上げのまま、長らく白地幕の山車として曳かれていました。
平成元年(1989)に青龍車改修百年記念事業として紺羅紗地に復元新調が行われました。
龍は山車後面が「正面龍」、左右の幕がそれぞれ「阿吽形の龍」になっており、純金の金糸が使用されています。
また龍の眼はガラスでできています。
大幕(イ通り)
イ通り(山車の進行方向左側)阿形の龍
大幕(イ通り)
ハ通り(山車の進行方向右側阿吽形の龍
大幕(後部)
正面龍
■水引幕「朱雀の縫いつぶし」
「扇面の図」だった旧来の水引幕を大正9年(1920)現在の意匠に変更。現在の幕は平成元年復元新調。
水引幕「朱雀の縫いつぶし」イ通り
平成2年(1990)復元新調
水引幕「朱雀の縫いつぶし」ハ通り
平成2年(1990)復元新調
■追幕「緋羅紗地に五嶽真形図の金刺繍」
水引幕「白地に五山の譜の金刺繍」
旧追幕は五色の几帳で下半田南組に譲渡されました。大正13年(1924)に緋羅紗地に「五岳真形図」を金刺繍したものに変わりました。
平成3年(1991)復元新調
五岳真形図
五岳真形図は中国道教の霊符の中でも最も霊験あらたかで五山の形を示す五つの霊図からなり、無病息災・寿命長寿・子孫繁栄をもたらす万能の霊符とされています。
■青龍車の絵天井
絵天井「鳳凰八方睨み」
以前は鳳凰の刺繍であったものを、葛飾北斎による長野県小布施町の岩松院本堂の天井画「鳳凰八方睨み」を並木功画伯により模写
吹貫頭
金色の千成瓢箪