25-03-17更新

尾張の山車囃子~名古屋

≪暫定版≫

尾張地方の山車囃子は、能楽を基本に編曲された楽曲が多く、主に大太鼓、締太鼓、小鼓、そして笛(能管と篠笛)によって演奏されます。

さらに尾張地方各地に伝播する過程で、それぞれの地域の特色が反映され独自の変化を遂げています。
祭りの伝承は、口伝や地域の人々の交流を通じて行われるため、伝承の過程で変化が生じたり、地域ごとの解釈や工夫が加えられたりしたのでしょう。

囃子は大きく分けて、山車の曳行中に演奏される「道行囃子」と、からくり人形の演技に合わせて演奏される「人形囃子」に分けられます。
また、道行囃子も山車の動きや曳かれる場所によって、さまざまな曲が使い分けられています。

この尾張の山車囃子に関するページは、今回(2025年2月28日)新たに再構築して公開しましたが、音源は当時のものをそのまま使用しており、1曲は約1分程度に編集されています。

25.03.01 一部音源をYouTube動画に差し替えました。さらに新しく動画の囃子を追加しました。

マークの囃子はYouTubeへのリンクです。PCでご覧の方はブラウザの「戻る」で、スマートフォンをお使いの方はYouTubeを閉じてからこのページに戻ってください。

■七間町崩し特集

七間町崩し
尾張地方各地で演奏されている「七間町崩し」を集めています。

■中区若宮祭「福禄寿車」

神楽
曳き出しや帰着、また道行きの曲としても使用する。曲場・どんてんではテンポを上げて演奏する。
楽(がく)
ゆったりとした曲で、道行きでは特別なときに使用される。
人形囃子前半
からくり人形(倒立唐子)の演技の際に演奏される。 出羽・鞨鼓など5曲から構成。
人形囃子後半
からくり人形(倒立唐子)の演技の際に演奏される。 出羽・鞨鼓など5曲から構成。
狂言神楽
道行囃子。曲場、どんてんではテンポを上げて演奏する。
早神楽
若宮では「はやかん」という。神楽の調子を早くしたもので、主に山車の曲げ場などで使われる。山車を急がせるときや曲場でも演奏する。
大楽
旧門前町陵王車の道行だった。平成17年より復曲して道行囃子として演奏する。
三番叟
山車が曳き廻しを終え神社に帰るときに囃す曲で、日中は摺り鉦はないが、夜に帰り囃子として使用するときは鉦が入る。
開化
鉦を入れ帰り囃子として演奏する。

■東区出来町天王祭西之切「鹿子神車」

人形囃子前半
からくり人形(蓮台倒立唐子)の演技の際に演奏される曲。
人形囃子後半
からくり人形(蓮台倒立唐子)の演技の際に演奏される曲。
下がり端
特別な場所の曲場で使用。また夜間提灯を点灯した後の道中囃子。
帰り囃子
千秋楽で他町と分かれた後に帰町するときの道中囃子。草笛、ジャガラを用いる。
車切
曳き出し時と自町内を曳行するときの道行きの曲。
そそり(早神楽)
他の山車とすれ違う時や、急な雨などで急いで曳く時に使用。
新囃子(七間町崩し)
千秋楽で他町と分かれた後に帰町するときの道中囃子。草笛、ジャガラを用いる。

■東区出来町天王祭中之切「河水車」 

車切
曳き出しの時に演奏される。昼間の道中囃子 。
神楽
ゆったりとした曲で、山車の方向を変える時に演奏される。
人形囃子
からくり人形の演技の際に演奏される曲。出羽・人形囃子・下がり羽の3曲から構成。
神楽
ゆったりとした曲で、山車の方向を変える時に演奏される.
<昭和8年ツルレコードにて録音された音源です.水野隆志氏提供>
帰り囃子
戦前は三味線が加わっていた.現在と聞き比べると興味深い。
<昭和8年ツルレコードにて録音された音源です.水野隆志氏提供>
道行
他町(西之切)に曳き入れるときに草笛を使用して演奏する。
帰り囃子
提灯を灯して曳行する際の帰り囃子。草笛とジャガラを使用する。
七間町くずし
提灯を灯して曳行する際の帰り囃子。草笛とジャガラを使用する。

■東区出来町天王祭東之切「王羲之車」 

車切り
道行きの曲として演奏される。(※)
そそり(早神楽)
他町の山車とすれ違うとき、雨が降り出した時など急いで曳行する際に演奏される。(※)
神楽
山車を方向転換させるとき、大通や他町を曳行するときに演奏される。(※)
人形囃子前半
からくり人形(倒立)の演技の際に演奏される曲.(※)
人形囃子後半
からくり人形(倒立)の演技の際に演奏される曲.(※)
帰り囃子
七間町崩し。提灯を点灯して帰町する際に草笛を使用して演奏する。
※印の音源は古出来町安江氏提供

■東区筒井町天王祭「神皇車」

人形囃子
からくり人形(巫女が龍神に早変わり)演技に演奏される曲 。下がり葉・楽・囃子・面被りの4曲で構成。
車切
道行で演奏される
どんてん
山車をズリで回転させる際に使用。車切を徐々に早く演奏する。
神楽
ゆっくり曳行するときや八重廻しで山車を回転させる際に演奏。
早神楽
他の山車とすれ違う時や急いで曳く時に演奏
開化
元は若宮祭門前町「陵王車」の道行囃子。草笛を使用した帰り囃子。

■東区筒井町天王祭「湯取車」

あめふりはやし
道行きの曲として用いられる湯取車の代表曲。東照宮祭七間町橋弁慶車演奏されていた曲で、他町では「七間町囃子」と呼ばれる。
道行
山車の曳き出しや神聖な場所など厳かで格式の高い曲。
しゃぎり
山車をズリで回転させる際に演奏。草笛の車切は珍しい。
人形囃子
からくり人形(湯取神事)の演技の際に演奏される曲。本囃子とも呼ばれる。
しんぐるま
大太鼓と付け太鼓が勇壮な帰り囃子。

■中村区花車神明社祭「二福神車」

車喜利(シャギリ)
代表的な道行囃子で山車の曲げ場では調子を早くする。
狂言神楽
シャギリとともに道行に演奏。
唄神楽
道行囃子。かつて東照宮祭京町小鍛治車で演奏されていた囃子。
七間町崩し
東照宮祭七間町橋弁慶車で演奏されていた曲で、鉦を入れて帰り囃子として用いる。
人形囃子
二福神のからくりで演奏される。「出端」、「二ノ句」、「棹ノ手」、「早笛」から構成される。

■中村区花車神明社祭「紅葉狩車」

三番叟
山車の曳き初めに演奏。また、夜間は摺り鉦が入り帰り囃子に演奏する。
神楽
ややゆったりしたテンポの道行囃子
神楽をテンポよくした曲。別名「雨降り囃子」とも呼ぶ。
早神楽
神楽の調子を早くした曲。
唄神楽
道行囃子。かつて東照宮祭京町小鍛治車で演奏されていた囃子。

■中村区内屋敷「唐子車」

早神楽
山車の曳き込みやすれ違いの際に演奏される。
七間町
鉦を入れて賑やかに演奏する帰り囃子。
開化
若宮祭門前町「陵王車」で演奏されていた道行囃子。草笛を使用した帰り囃子。

■南区本地田古屋組

七間町
東照宮祭七間町橋弁慶車で演奏されていた曲。

■南区本地大道組

七間町
東照宮祭七間町橋弁慶車で演奏されていた曲。

■緑区鳴海町作町

七間町
東照宮祭七間町橋弁慶車で演奏されていた曲。

■緑区鳴海町表方中嶋街

七間町
東照宮祭七間町橋弁慶車で演奏されていた曲。

■緑区相原町「唐子車」

七間町
東照宮祭七間町橋弁慶車で演奏されていた曲。

■名古屋市緑区有松東町「布袋車」

車切
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