工房で修復作業中の有馬白匠要治師
平成12年から行われている「神楽車平成の大改修」の一環として神楽車の彫刻修復が行われています。
修復を担当するのは山口県小郡在住の有馬白匠要治師で、神楽車のサヤに天井や床を張り改造した工房で作業が行われています。
外から作業の様子がよく見えるガラス張りの工房は、さぞかし地元の人の関心を集めている事でしょう。
3月22日、亀崎に逗留しすでに2年余りの有馬師を訪ねました。
作業中にもかかわらず有意義なお話を聞かせていただきました。
神楽車の彫刻はその大半が立川常蔵昌敬によるもので、その数184点になるといいます。
明治43年(1910)に尾張三社にて転倒した際に数多くの彫刻を破損し、竹内久一・新美常次郎らによって応急処置的補修は行われましたが、以来神楽車の彫刻は本格的な修復はこれまでなされてきませんでした。
今回の修復は過去の補修や老朽等で欠損した彫刻を、立川常蔵昌敬の下絵に忠実な修復・復元を行うものです。
<有馬白匠要治師略歴>
昭和28年山口県徳山市生まれ.昭和48年技能五輪山口県代表に選抜、同年富山県井波町の南部白雲師に師事し10年間の修行で社寺彫刻、欄間彫刻などの技術を習得する.
その後独立して山口県小郡にて工房を開き、制作活動を開始する.
知多半島での主な作品に、上半田南組台輪彫刻等、亀崎田中組神楽車平成大修理、亀崎西組「花王車」彫刻修復と前山鬼板など制作、下半田東組「山王車」台輪彫刻、下半田中組「祝鳩車」高欄蹴込、岩滑新田平井組「神明車」高欄蹴込、阿久比町大古根「八幡車」蹴込などがある.
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