花王車とサヤ、撮影はこの中で
取材当日は祭礼4日前ということで、既に山車が組み上がっており、桜木は山車の上山にセットされていました。
人形の稽古は祭礼本番と同じ条件でこの山車内で行われました。
最初にお断りというか、言い訳です。
狭い山車内を想定して広角レンズを用意したのですが、桜木から1段下がったその後方と、さらに桜木下の中段に位置し操作する二人の人形方、さらに人形の動きを一人で撮影するのは至難の業でした。
この糸を引くと人形がこう動くってところをお伝えしたかったのですが、申し訳ありません。
高所・閉所の恐怖と戦いながら、稽古の邪魔にならないよう山車の中を、出張った腹を引っ込めて這い上がったり降りたり・・・
変な体勢で撮り続けたものだから、翌日はお決まりの筋肉痛。
もし機会がありましたら、次回はカメラ2台・・・いや3台か?
態勢を立て直して再挑戦させていただきたいと思います。
ということで、まずは第1弾!しばらくお付き合い下さい。
さて、肝心の綾渡りの原理と仕組みですが、敢えて詳しくは説明しません。
というより、本来からくりの仕組みなどは「秘中の秘」であるはず!
今回紹介するにおいて一番悩むところでもありました。
秘密のベールに包んでおいたほうが良いのではないか?
何も知らないでいたほうが純真にからくり演技が楽しめるのではないかとも。
今回は西組様も公開前提で対応いただいておりますし、このご時世ですから書籍等で紹介されていることもあり「敢えて詳しくは説明しません」が、見ればわかる・・・ということにさせていただきます。
西組様のご厚意で特別に動画の撮影と公開許可をいただいておりますので、最初に動画をご覧下さい。
下手な文章よりご理解いただけると思います。
お願い:文書中の写真、動画等の無断転載はご遠慮ください。
亀崎西組からくり人形「綾渡り」の稽古桜木(西組ではボクと呼んでいます)に花を咲かせます。
からくり人形の演技を行う前に枝と綾を設置し、桜花を飾ります。そして終了後に再び外す作業が必要です。
からくり装置を下から見ると、桜木が上山中央に置かれていることがわかります
綾は高低交互にセットされています。
写真はハ通り側(正面から見て左側)から撮り、1番の綾から5番まで。
綾に付く房が紫なのは後の日仕様だそうです。
初の日には綾に付いている房が朱になるとのこと。
知りませんでした・・・
唐子人形は赤い唐子と緑の唐子の二体。名前は付いていないようです。
綾の数は7本で、最後の巻物も合わせて糸の数は全部で・・・
数え忘れましたが10数本!
握りを色分けして区別しています。
材質は幹、枝ともに天然桐で、幹の裏側がえぐられています。操作系すべての糸がここから枝~綾に伝えられます。
人形方はわずか2名で操ります。
一人は上山四本柱の柱振止の切り欠き部分に入ります
こんな感じです。
こ、これは・・・
私が入ったら、出るときに上山を解体しないと出られないかも?
綾渡りのスタート位置です。
もう一人は下で操作します。ここは一般的な山車からくりでは定番の位置ですね。
上下の2名で声を掛けながらタイミングを合わせて糸を引きます。
真剣!
これは真剣じゃないとき・・・