1番の綾からスタートすると振り子のように前後に勢いを付けます。
操作するのは下の人形方です。
タイミングを見計らって綾棒の上に
そのまま前転して足を2番目の綾に掛けます
2番の綾に足を掛け反り返って3番の綾に手を掛けます
ここまで上部の人形方が操作しています
3番の綾に渡ったところです
3番の綾で前転して4番に
4番の綾に足を掛けます
4番の綾に足をかけて反り返ったところです。
この綾は左右に回転することができますので、ここで90度右に曲がり綾渡りは続きます。
このように途中で方向を変えるのが西組の綾渡りの特徴といえるでしょう。
ここからは山車の前方での綾渡りとなります。
4番の綾に足を掛け、反りながら5番の綾に手を掛けます。
5番の綾で前転をするところです。
赤唐子が7番の綾まで渡り終えると、次は緑の唐子が渡り始めます
緑の唐子が4番綾まで渡ると赤唐子は巻物にぶら下がり、山車内に降りていきます。
この西組の綾渡りのからくりを間近に拝見して思うに
こりゃ難解だ、難しい!
綾と綾の間隔、糸を引くタイミング、人形方二人の呼吸、などどれ一つ欠けても人形は綾を渡ってくれそうにありません。
西組だけに限った事ではありませんが、綾渡りのからくりほど見ていてスリリングなからくりは無いように思います。
事実一番失敗率の高いのが綾渡りのからくりではないでしょうか。
人形方は失敗しないよう懸命に操り、下で見ている観客は落ちるなよ、落ちるなよと祈り、両者一体となれる綾渡りのからくり。
(少し褒めすぎました・・・)
さらに本番の潮干祭では浜辺に山車を曳き揃えますので、砂浜では水平を出すのも難しい状況です。
時には強い浜風という悪条件でからくり人形を披露しなければなりません。
このあたりは西組だけでなく他組も同様に苦労するところでしょう。
そして想像以上に糸を引くのに力が必要なこと。
桜木から枝を通って綾までの糸の経路の長さ、さらに他地区より一回り大きな西組の人形の重さも関係するのでしょうか。
実際に糸を引かなくとも、その重さは伝わってきます。
いや、決して私が引きたいと思った訳ではありません。
もし、「やってみます?」と言われたら迷ったかもしれませんが・・・
でもきっと笑われてネタにされるに決まってる。
稽古中に「ブチッ!」と糸が切れてしまいました。
本番中なら大慌てでしょう。
ベアリング付きの滑車を各所に装着したら軽くなるんだろうな、と思わないでもないのですが
やっぱりソレではだめなのでして。
謝辞:亀崎西組若者頭、人形方の皆様には取材にあたり大変お世話になりました。
私の力量不足によりからくりの魅力を十分にお伝えできないこと、お許し下さい。
参考資料:潮干祭総合調査報告書(半田市他)
西組の「桜花唐子遊び」(山田和人)
桜本木新調の記録(杉浦豊)