半田市乙川地区〜浅井山「宮本車」〜からくり人形

宝暦年間の「乙川祭礼絵図」には「小烏丸夢之助太刀」と注釈された人形が描かれています.
からくり人形は、いつしか途絶えていましたが、現在のからくり人形は、平成9年に地元浅井山の山田利圀氏によってあらたに復活されたものです.
からくり演技は「唐子遊び」.高さの異なる杭(くい)を順番に渡るもので、乱杭渡りと呼ばれます.
また浅井山は宮本であり、八幡社と若宮社では隠れ遣いの三番叟人形を奉納します.

※令和5年より上山からくり人形『小烏丸夢之助太刀』が新たに復元新調されました。後日当ページを更新しますが、それまで張州雑記をご覧下さい。

■分類
離れからくり(乱杭渡り)、変身
■作者
山田利圀
■制作年
平成9年

上山からくり人形「唐子遊び」

乱杭渡りの離れからくりで、途絶えていた上山からくりを平成9年に山田利圀が復活させました.
乱杭渡りは、下駄を履いた人形が高さの異なる杭を渡っていくもので、差し金を使った高度な構造となっています.愛知県には犬山市魚屋町、岩倉市大上市場と碧南市大浜に残されています.

※山田利圀(1928〜2005)
半田市乙川浅井山生まれで、家具職のかたわら、山車彫刻やからくり人形を手がけた.
主な作品は、浅井山の乱杭渡り・三番叟の他、岩滑新田平井組三番叟人形や津島向島馬場町車の人形修復など.


大唐子

小唐子

大唐子の前で小唐子が乱杭を渡ります

渡り終えると小唐子が額に変身します

更に文字が「乙川祭禮」に変わります.

別の文字になるときも

三番叟人形

宮本である浅井山では八幡社と若宮社で三番叟を奉納します.隠れ遣いで頭と胴、両手、両足の3名で後ろから操作します.
人形の作者は不明ですが、現在の頭(かしら)は山田利圀作


三番叟が終わると、自身で幕を閉めます.