尾張の山車まつりへ [知多の山車館]−[岡田]

知多の山車館〜知多市・岡田祭

05-11-22更新

 慶長11年(1606)に奥、中、里の3ヶ村で岡田村が誕生.戸数146戸で当時は農作業の合間に婦女子が木綿を織っていたと伝えられます.その後も岡田は木綿とともに発展し,最盛期には知多木綿の7割が岡田で扱われたそうです.
 そんな知多木綿の故郷ともいえる岡田の祭りに,3台の山車が曳き出されます.神明社・白山社の祭礼で,古く元禄時代が起源と伝えられます.明治中頃までは8月に祭礼が行われ「かぼちゃ煮〆めに鬼こわい」と言われるほど暑い最中に行われていたそうですが,現在では春祭りとなっています.

 3台の山車は里組が「日車」・中組「雨車」・奥組「風車」とも呼ばれています.
これは,里組が先車の年は天気の良い日が多く,中組の場合は雨が多く,奥組の場合は風の強い日が多かったことから名付けられています.
 先車とは行列の先頭になる山車を言い,現在では毎年交代していますが,この先車の決まりが無い頃には,各組の対抗意識も強く,着順(早い順)により参拝をしていたため,諸々の争いが生じていたようです.
山車の詳細
 いずれも古い伝統を誇る山車は,知多型外輪と呼ばれる車輪が台輪の外にある名古屋型と知多型の混合した形態で,造花の「ダシ」とともに岡田の山車の特徴となっています.同様な山車は東海市大田常滑市北条内海東端でも見ることが出来ます.
 脇障子はいずれの山車にも見られません.高欄(堂山上部)の支持が斗組によらず,柱上部に付く持送りで支持します.
また,山車の前部に飾られる造花のダシも岡田の山車を華やかに演出します.
見所
 大門での捻廻しは,この祭り最大の見せ場で,大きな山車を持ち上げ回転させます.
また,各車に載せられたからくり人形も見所の1つです.
木偶
 里・中・奥の各組ともに下木偶と呼ばれる数種の前棚人形と、上木偶(上山人形)がありそれぞれ多彩な演技が行われます.いつしか動かなくなっていた人形も、近年徐々に復活しました.
   里組  中組  奥組
下木偶 三番叟 参社女 いっこんしゃ 三番叟 おやま 弥津志 三番叟 春駒
上木偶 悪源太平治合戦記 返り木偶(楽人) 幸福木偶(筆を持って文字を書く)
里組・日車 中組・雨車 奥組・風車
里組の山車彫刻 中組の山車彫刻 奥組の山車彫刻
からくり人形 からくり人形 からくり人形


車輪は外輪で輪懸で囲みます.
(岡田では『格子』と呼びます.)
狭い旧道を通る山車.人で溢れます.

参考資料:知多市誌・岡田町誌・コミュニティだよりおかだ
岡田の祭り(パンフレット)
知多市の民家・山車・屋形調査報告書(知多市教育委員会)

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