以上、山車祭りの面白さについて思いつくままに述べてきたが、さらに、二点をつけ加えたい。
まず、山車の数についてである。東海地方で最も多く山車の出る祭りは桑名石取祭の39輌である。祭車は小型ではあるが、その行列は1キロメートルにも及ぶ。
この他では、津島秋祭(15輌)、犬山祭(13輌)(写真11)、高山の山王祭(13輌)などが多い。また、愛知県半田市では5年に1度、市内にある31輌の山車の勢揃い(写真12)させるイベントを行うことになっている。(ちなみに日本一はおそらく愛媛県の西条祭で、100輌以上の山車が出る。)
最後に山車の大きさについて比べてみよう。
東海地方の山車で特に大きいのは、津島天王祭の車楽(だんじり)と犬山祭の車山(やま)である。津島の車楽は、朝祭では約8メートル、真柱を立てる宵祭では約15メートルの高さにもなる。
かつて東海地方には「大山」、「車楽」と呼ばれる巨大な山車がたくさんあった。しかし、明治以後ほとんどが廃絶し、かろうじて船上に組まれる津島天王祭の車楽のみが残った。
一方、犬山祭の車山は8~9メートルの高さがあり、地上のものでは一番大きい。犬山城前の広場に13輌の高大な車山が勢揃いする様子は壮観である。
ただし、一宮市馬寄や、岩倉市の犬山型山車も同様の大きさがあり、もしかすると岩倉市の山車の方が犬山のものより大きいかもしれない。
これらの正確な大きさは、調べればわかるかもしれないが、不粋なのでやめておく。山車の大きさや重さは、各町の自慢であり、みんなで「うちの山車が一番大きい、重い」と自慢し合っているのがよいのである(日本最大の山車は石川県七尾市の青柏祭。ただしこれは体積日本一で、背の高い物は他にもある)。