東海の山車祭り

第1章 山車祭りの魅力 (2/7)

東海三県(愛知、岐阜、三重)にも、日本三大山車祭りと比べても遜色のない祭りがたくさんある。まず、津島天王祭、犬山祭、桑名石取祭、上野天神祭あたりが思いつく。


1 高山(八幡祭)下一之町上組「布袋台」

これらに次ぐものとして、亀崎潮干祭、津島秋祭、知立祭、挙母祭、三谷祭、垂井曳?祭、古川祭なども挙げられるだろう。

東海地方の山車で豪華絢爛なものと言えば、やはり高山祭(写真1)である。いずれの屋台も極めて精巧に作られており、そのあざやかな色彩と、装飾品の多彩さは、他に例を見ない。

しかし、彫刻の豪華さという点に限れば、亀崎潮干祭(写真2)と乙川祭が極立っている。白木造りなので高山のような派手さこそないが、全体を覆う立川流や尾張の名匠たちの彫刻はすばらしく、全国的に見ても特に優れた山車である。

一方、染織品では上野天神祭(写真3)が優れている。幕には円山応挙、渡辺南岳など江戸時代後期を代表する絵師たちの下絵を刺繍で表現しており、山車の掛物として独得のものが多い。

また、古川祭では近代の大画家による見送りの数々が圧巻である。この他、垂井曳?祭の曳?はその屋根の構成が複雑で、建築模型として面白い。


2 亀崎潮干祭中切組「力神車」

3 上野天神祭中町「其神山葵鉾」

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