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津島天王祭〜天王祭類似の祭礼山車
 愛知県下には,津島神社の信仰とともに津島天王祭の影響を受けたと思われる祭りが,多く分布しています.その多くが牛頭天王(須佐之男命)を祀る津島神社・(牛頭)天王社・須佐之男社・八坂神社の祭礼で,主に夏祭りに見られます.ここでは巻藁提灯を飾る,尾張地方の山車を中心にとりあげてみました.

富部神社祭礼 車楽(陸車)
 蛇毒神天王社とも戸部天王とも呼ばれていた富部神社には「高砂車」という車楽が1台残されています.残念ながら,上層部は外され,祭礼にも曳き出されることはありません.
 また熱田南新宮社、亀尾天王社(今の那古野神社)の天王祭にもかつて車楽が存在しましたが,明治以後途絶しております.

須成祭り 川船
 蟹江川で行われる川祭りで,津島天王祭同様に,まきわら船の宵祭りと,飾り付けを変えた朝祭りが行われます
 かつては洲崎天王祭や清洲天王祭,下一色天王祭にも同様な川祭りが行われていたようですが,現在は廃止されています.

(画像提供KON氏)

半田市上半田「ちんとろ祭」
 住吉神社の社前に広がる宮池に,2艘のちんとろ船(巻藁船)が浮かべられます.その船の前部にしつらえた舞台で子供による三番叟が奉納されます.
 寛政から文化の頃に宮池に巻藁船を浮かべて舟祭りが始まったといわれます.巻藁船2艘

常滑市大野祭り
 大野祭りに3台の名古屋型山車とともに登場する巻藁型祭船です.権現町「権丸」の特徴は囃子に合わせて巻藁が回転出来る構造になっていることです.名古屋型の山車3台と大野橋の袂で出会います.
 伊勢湾台風の昭和34年以後途絶えていましたが,昭和63年復活.巻藁船1艘

知多市新舞子(旧松原村)
 外輪の車輪に輪懸けを持つ山車で,屋根は無く上部に備えた巻藁に提灯を半球状に飾ります.(かつて日中は上山と交換していたようです)現在は曳き廻しせず飾り付けのみ.
 知多半島でも古い形式の山車で,知多市日長神社や同市大草の津島神社や常滑市広目や小鈴谷にも同様な山車が分布していたようですが,現在は全て廃絶または知多型の山車に変わっています.

美浜町河和
 神武祭の夜山(よやま)で2台あります.形態は知多型類似の台輪に内輪の車輪で,夜には上山の巻藁に提灯を半球状に飾ります.
 他に河和地区では河和天神社の祭礼に知多型の山車2台が曳かれています.

稲沢市北市場「こがし祭り」
 屋根上に提灯を飾る山車です.以前は五条川に浮かべる巻藁型川船だったといわれます.その後,諸処の事情により陸車になったとの言い伝えが残されています.
山車2台ともに現在曳き廻しせず,飾り付けのみ.

一宮市浅井黒岩
 一宮市の北部,浅井町は木曽川の二重輪中の間に位置しますが,木曽川に隣接しながら,祭船を出せなかったため,山車になったといわれます.
 屋根上部に提灯を半球状に飾る巻藁型山車です.また同市瀬部の臼台祭にも同様な巻藁山車が曳き出されます.


(画像提供KON氏)

名古屋市守山区「大森天王祭」
 名古屋型の山車ですが,以前は夕刻になると屋根を取り外し,巻藁に付け替えて半球に竹笹提灯を飾ったといわれます.現在は行われていませんが,巻藁は保存されているそうです.山車1台

西春日井郡三好町
 八幡社の祭礼に三好上と下地区2台の山車と,新屋地区の天王神社の祭礼に1台の合計3台の山車があります.これらの3台の山車は,元来新屋の天王祭を起源としており3台ともに同じ天王神社の祭礼(天王祭)に曳かれる山車でした.
 山車は,三河系の山車で,夜祭りに上山上部の巻藁に提灯を半円形に飾りつけます.山車3台

知多郡阿久比町卯之山
 内輪の台車を幕で飾り,上部の巻藁に提灯を飾る提灯車.かつては,綱を付け境内を曳いたこともあったようです.
(当ホームページでは山車として扱ってはいませんが,天王祭りの影響が大きいと思われますので掲載しました)

 上記の他にも,犬山市三光寺稲荷,尾西,川島など木曽川流域などで巻藁船が浮かべられているようです.また,「天王祭」として各地で山車を曳く夏祭りが行われます.
出来町天王祭(名古屋市東区),筒井町天王祭(名古屋市東区),牛立天王祭(名古屋市中川区),西枇杷島祭(西枇杷島町),岩倉天王祭(岩倉市),玉野町天王祭(春日井市玉野町)など.
    この項は以後も追加して行く予定です.情報お待ちいたします. 

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