尾張横須賀まつり〜北町組〜山車彫刻1

09-07-18更新

北町組の山車彫刻は唐獅子・龍・鶴・鳳凰・犀(サイ)・蜃(シン)・貘(バク)など、水引幕とともに多彩な霊獣で彩られています.
特に高欄下支輪彫刻の「唐獅子」は「親子獅子」や「手鞠獅子」など約30体の獅子が様々な形態で山車を囲っています.
これらの彫刻は彫刻裏の墨書により瀬川治助重定の作と判明していますが、制作年は不明です.おそらく文政10年(1827)の建造時にその大部分の彫刻が瀬川治助重定によって制作されたと推定されます.
また、前棚の壇箱彫刻は、彫刻裏の刻銘や北町組に保存されている資料に元治元年に瀬川治助重光が制作したことが記されています.

→彫刻詳細(唐獅子)

■壇箱「老松」

前棚部の彫刻「老松」はケヤキの白木彫りで瀬川重光の作です.比較的狭い上縁と地覆の間に巧みに松が配されています.
この老松の裏面には『尾州 瀬川重光作』と印刻されています.制作年は確認出来ていませんが、北町組に保管されている板書によると、元治元年(1864)に山車を改修 したことが記されており、「彫物師 名古屋末廣町 瀬川治助重光」の名が確認出来ます.この壇箱「老松」はその時点で追加されたと思われます. 

 

■その他の彫刻

山車の周囲には楓の彫刻.

からくり人形の題材(楓の木に倒立)に合わせたのでしょう.

鬼板

「波」

懸魚(げぎょ)


「鳳凰(ほうおう)」

蟇股(かえるまた)


「鶴」
羽の一部が銀色になっています

太平鰭(たいへいびれ)

「犀(サイ)」

犀の拡大
頭部のツノと背中の甲羅が犀の特徴

 

前棚高欄部

「蜃(しん)」

 

格狭間彫刻

「波に龍」



 

上山蟇股(かえるまた)

「鶴」

前棚端部の彫刻
「竹に雀」