前棚部の壇箱は「牛若丸と烏天狗(からすてんぐ)」で、彫刻背面に瀬川治助重光の印刻があります.
この「烏天狗」の制作時期は不明ですが、八公車が出来たとされる文政6年当時は重光4歳であり、この壇箱「烏天狗」はまだ出来ていなかったことになります.
重光の横須賀での他作品は本町組が嘉永2年(1849)に、北町組が元治元年(1864)に彫られています.八公車の「烏天狗」もこの前後の時期に制作されたと考えるならば、文政6年の山車建造から20〜40年後に重光によって「烏天狗」が追加されたことになります.
八公車の檀箱「牛若丸と烏天狗」は欅(ケヤキ)材の白木彫りで、正面やや右に天狗を従えた大天狗の僧正坊、中央やや左には剣を持つ牛若丸と、そして烏天狗が7体配置されています.鞍馬山に預けられた牛若丸(源義経)が天狗から兵法、剣術を習うという有名な場面です. |
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前面中央部「牛若丸」 |
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前面左側「僧正坊」 |
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左側面 |
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右側面 |
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彫刻裏の印刻「尾州 奇雲堂 |
鬼板鬼板と鳥襖には「八公」の文字. |
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懸魚「鳳凰」 |
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上山蛙股「麒麟」 |
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高欄狭間山車の全周にわたり「梅に鶯(うぐいす)」など8枚の白木彫刻. |
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幕板に松の装飾. 八公町内にあった「琴引松」に由来するのでしょうか. |