三郷祭りは入見神社の祭礼で、馬場・中之郷・北脇の3つの字がそれぞれの出し物を奉納します.
現在は馬場では山車と棒の手、中之郷は「奴さん」、北脇が棒の手を奉納しています.
馬場(江戸時代以前は馬場村)に伝わる山車は上山に蛇のからくりが載ることから「蛇車」と呼ばれます.
明治初期の建造と伝えられる知多形の形態ですが、上山(屋根)はありません.また、壇箱に彫刻がなく、脇障子など前山の彫刻も少ないため、建造中途を思わせます.
龍(蛇)と鐘の造り物を飾ることから安珍清姫伝説の『鐘巻(道成寺)』を題材にしたからくりが基になっていると思われます.
現在山車を曳き出していない馬場以外の2地区も、中之郷には「太鼓打ち唐子人形」、北脇は人形浄瑠璃「業平卿八ツ橋山之段」のからくり人形が保存されています.かつては馬場・中之郷・北脇の3輛の山車が出てからくり人形が行われていたようです.
馬場は上記のように「鐘巻」のからくりですが、かつて夏祭りに使われていた「文字書きからくり」の人形が残されています.
北脇の山車は、他村の山車より大きくて妬みをうけ、また地区内の道が狭くて山車の曳行に難儀したそうです.道が狭いのに大きな山車を所有したということは、どこか別のところで曳かれていた山車を購入したのでしょうか.
この山車は曳き出されず解体されたままになっていたのを、明治25年頃に山車の無かった隣の東端(南知多町内海字東端)に譲られて、現在も東端地区の祭礼に曳かれています.
水引幕
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棒の手です. | |
奴さん | ||