半田市乙川地区〜南山「八幡車」〜からくり人形

南山のからくり人形は「役小角大峯桜(えんのおづぬおおみねさくら)」で、役小角(役行者)と鬼の二体で演じられます.

この「役小角大峯桜」は250年以上前の宝暦5年(1755)に描かれた乙川祭礼絵図に既に描かれていたものですが、当時の人形は既になく、長らく途絶えていたからくりは、絵図をもとに九代玉屋庄兵衛によって平成19年に復活し、再び演じられるようになりました.

からくりは役小角が6本の高さの異なる杭(くい)を渡り桜の枝に移ります.そしてぶら下がったまま桜吹雪とともに山車の外に去り、同時に赤鬼が青鬼に変化し激しく舞うという、乱杭渡り、離れからくり、変身の3つの要素を持ったからくりです.


役小角(634-701)
「役行者」と呼ばれ、葛城山や熊野・大峰山などの山々で修行を重ね修験道の基礎を築いたといわれます.前鬼、後鬼の夫婦の鬼を自在に使役するといった法力があったともいわれ、日本各地の修験霊場に伝説が残ります.


■分類
乱杭渡り、面被り
■作者
九代目玉屋庄兵衛
■制作年
平成19年(2007)

上山からくり人形「役の小角大峯桜(えんのおづぬおおみねさくら)


高さの異なる6本の杭を順に渡ります

桜の枝をつかみ

桜吹雪と共に山車の外に降りて行きます
 

役小角


役小角が消え去ったあと赤鬼は青鬼に変身