本稿は、1991年に刊行が予告されたまま今だ発刊に至っていない幻の本「東海の山車祭り」(宇野通著)の一部です。近年の東海地方では、山車が注目され、マスコミや書物で取り上げられることも多くなり、この原稿を書いたときに比べれば、随分状況は良くなりました。
しかし、今だ東海地方の山車の総合的な解説本などは、作られていないようです。本稿は、不完全なものですが、東海地方の山車の概要を知っていただくためには役に立つのではないかと考え、ホームページで公開していただくことにしました。
一通り見直しを行いましたが、古い原稿であるため、現在と事情の異なる部分や、現在ではより研究が進んでいるところもあると思いますので、ご了解下さい。
このたび宇野通氏のご厚意により「東海の山車祭り~生き続ける19世紀の都市文化」を公開することになりました.
宇野氏は当地方の山車祭り研究組織「愛知山車祭り研究会」結成の発起人の一人として、また中京圏の山車を系統的にまとめあげた「中京地方の山車(まつり51号)」と題する論説などを発表されております.
その後転勤のため当地を離れ、富山県高岡市にお住いになった後も石川・富山両県の曳山を広く調査し「加越能の曳山祭」(能登印刷出版部刊)を出版されています.当ホームページをご覧になっている皆様の中にもこの書籍をお持ちの方は多いと思います.
今回ここで公開することになりました「東海の山車祭り」の一刻も早い出版を願ってやみません.
お詫びとお礼
この「東海の山車祭り」は出版を目的として書かれたものであり、このたびインターネットでの公開にあたり、文意に支障のない位置で適宜改ページさせていただきました.またレイアウト等当方の独断にて編集しましたので、筆者の意が伝わらない部分がありましたらお詫び申し上げます.
「尾張の山車まつり」流に多くの画像を加え編集させていただきましたが、本来なら画像は私が用意すべきところ、多くを宇野氏に提供いただきました.また、不足分の画像を提供いただきました方には、ここに御礼申し上げます.
2018.03.01更新
当「東海の山車祭り」を2008年に公開以後ネット環境も大きく変動し、インターネットはスマートホンやタブレットなどのモバイル端末で閲覧するという利用法も当たり前になってきました.
また2016年には全国33件の「山・鉾・屋台行事」がユネスコ無形文化遺産に登録され、東海地方でも高山祭をはじめ11件の山車行事が指定されました。
この「東海の山車祭り」を公開してから10年、山車祭りに対する認知度、注目度は当時と様変わりしてきたように思います.
今回新たにスマートフォンでの閲覧をも念頭において再編集しましたので、東海地方の山車祭りの起源から山車の形態など今一度振り返ってみるのはいかがでしょうか.
なお、使用画像は一部入れ替えましたが、文章等の内容は公開時から変更しておりません.
また文中の市町村名につきましては合併等で変更あるものはカッコ内に注記しました.
「尾張の山車まつり」nova