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日本でも魚の長として、めでたい物とされ、祝いの宴席で、食されたようです。(海魚の長が鯛)また、錦鯉などは、日本庭園の池では、お馴染みで、古くから、観賞用としても、日本人に親しまれてきました。 ・山車装飾の鯉 山車彫刻や幕類でも鯉が見られます。多くは鯉の滝登りと題したものです。縦長の脇障子の彫刻は滝の流れと相まって、調和が取れた題材となっています。また、常滑保示保楽車水引は鯉の滝登りの激流とは異なり、清流に泳ぐ鯉が描かれ、写実的で、ゆったりした感じがします。
南知多山海西村山車脇障子 美浜布土大池山王車脇障子 半田乙川西山神楽車持送り 半田岩滑西組御福車大幕 清流に泳ぐ鯉 常滑旧常滑保示保楽車水引 ・鯉の滝登り 鯉の滝登りで、日本人に最も馴染みなものが、端午の節句に飾られる、鯉登りです。子供の無事な成長を願う端午の節句に、立身出世を祈る、鯉幟が掲げられました。 立身出世と鯉の滝登りとの関係はなんでしょう。中国の歴史書の後漢書、李膺伝には黄河の中流に竜門滝といわれる、激流があり、滝の下には鯉が集まるとされ、その激流を登った鯉は竜になると、記されています。 竜門滝は、その鯉はまったく上れないほどの激流で、そうした逸話ができたようです。
魚でも鯉は髭があり、龍に通じるような感じもします。龍は想像上の動物ですが、鱗は鯉のようだとされています。 また、中国古代王朝での科挙試験(官吏登用試験)に合格したものだけが通れる門が竜門といわれたそうです。後に、立身出世の関門を登竜門と呼ぶようになったということです。 ・鯉料理 鯉は「精がつく」「肺病に効く」「産後の滋養強壮に良い」と昔から言われていました。現代医学も進歩し、その研究によれば、実際、漢方薬としての効果効能があるようです。 (アトピー肌の改善・滋養強壮・腎炎によるむくみとりの特効薬・血液循環や肝機能の改善・中性脂肪の抑制・頭痛・冷え性・肩こりなど) ・鯉の生命力 鯉は他の魚に比べ生命力も強いといわれます。以前、奉仕していた神社で、神饌として鯉をお供えしていましたが、業者から納品されるときは、もちろん生きています。神饌として三方に載せるときは、新鮮さを見せるため、鯉の口と尾を麻生の紐で寄せて縛り、あたかも飛び跳ねてるように飾りますが、先ず、お酒を飲ませて、酔わせます、 それでも、元気で、鯉の頭をコーンと叩くと、脳震盪を起こし、静かになります。その隙に、縛ってしまって、夜と思わせるために、目に紙を張ってごまかします。 その後、気づいた鯉は縛られて、動けません。確か二時間ぐらいの祭典だったと思いますが、お祭が終わって、鯉の神饌を下げてきて、結んだ麻生をチョキンと切ると、また、ばたばたしだしたのを覚えています。 まあ、その後は、神様のお下がりとして、鯉料理で頂いたわけですが、あのまま、水に戻したら、元気に生きたでしょうね。ある年の祭典中、儀式で鯉をお供えしてるとき、ホコホコと動いて、今にも飛び出しそうで、ひやひやした記憶もあります。 (鯉といえば、鯉に乗った仙人として、琴高仙人がありますが、この項では鯉単独で紹介していますので、別項で紹介する予定です。) |
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