今回は天井について紹介しましょう。「天井」とは建物の内部で上を見上げた部分をいいます。中国建築では天井を「承塵」と言うそうです。塵を承る。つまり上からのちりをうけるための構造物ということです。天井の語源ですが、先ず「天」は上下を表すのに天地と言いますが、つまり上の部分と言うことですね。
では「井」ですが、古い民家で天井が張ってないものがありますが、家の中央、囲炉裏の上の部分に井桁の棚が設けられていました。これが天井の井の源だそうです。
さて山車の天井ですが知多型は上山と前山の二ヶ所、名古屋型は上山に一ヶ所、天井が付けられています。山車の露出した構造部分は様々な装飾が施されていますが、天井も例外でなく色々な様式があります。各地の山車の天井に見られる様式を祭吉なりに分類して紹介しましょう。 |
鏡天井 |
|
単なる板張りの天井です。白木のものはありませんが金塗りの無地はあります。 |
塗絵天井 |
|
構造上は鏡天井と同様の造りです。塗りの絵が画かれています。 |
彫刻天井 |
|
彫刻が彫られた天井。 |
格子天井 |
|
格子状になった天井です。格天井とも呼ばれます。多くの格子天井は下に述べる折上になっています。格子天井のなかには小組格子天井といわれる、格子天井の格子の中に更に小組の格子があるものがあります。 |
折上天井 |
|
天井の縁と面の高さが異なるように作られて、縁の部分が曲面で持ち上げられて(こうしたことを折上げといいます。)中央部分は水平に張られています。 |
二重折上天井 |
|
折上天井ですが、折上部分が二段に折上げられています。 |
知多では凡そこのように分類できると思います。各地の山車には様々な天井があるようです。以前、岐阜県垂井で格子天井の格子の桝の中に一つ一つ塗りの絵が施されているのを見ました。知多型は斗形が重厚で特に上山内部の天井は非情に見にくいですが上山を上げた時には気を付けて見てみてください。 |