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知多では亀崎東組や内海東端の上山人形にあります。他には名古屋市の東区筒井町や西区山田町比良、小牧市の中本町にも同様のからくりが見られます。これらは全て名古屋型山車で「湯取車」と山車名にもなっています。 通常、名古屋型山車の前壇には摩振人形が一体乗せられますが、湯立神事のからくりの山車は笛吹と太鼓打の二体のからくり人形となっているのが特徴です。湯立からくりの上山は巫女と神職の二体で大将人形がなく、そのため前壇に二体配置したのではないかと思われます。 湯立神事は湯立神楽とも呼ばれ一種の神楽とも言われます。笛吹と太鼓打の二体のからくり人形が神楽に通じる物と思えます。津島の七切麩屋町、今市場朝日町の山車にも同様のからくりが見られますが、こちらは前壇に置かれた機関樋の先端に釜が配され巫女が進む構造になっています。同じ湯立神事の趣向のからくりでも山車によって様々な形態があるのは興味深いことです。 さて、湯立神事について詳しく紹介しましょう。古くは神意を伺うためのものといわれています。よく似たものに探湯誓湯(くがたち)があります。これは上代、事の是非、正邪を判定するために、神に誓って熱湯に手を入れて探らせたもので、罪のある者は大やけどをしますが、正しい者はやけどをしないと信じられていました。この探湯誓湯が後世に湯立神事に変化し、湯で祓い浄める物となり、更に舞と結びつき芸能化していったようです。舞と結びついたのが湯立神楽の由縁でしょう。 山車からくりでは湯の代わりに紙吹雪になっています。釜の中にふいごがし込まれていて紙ふぶきが飛び出す仕組みになっています。湯立神事のからくりがある山車祭を見に行った時には是非、紙吹雪がかかる山車の近くで見てください。きっと穢れが祓われると思います。 |
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