[尾張の山車まつり]−[祭吉の山車祭講座][彫刻の題材〜龍虎]

第102回 彫刻の題材〜龍虎 

亀崎・東組「宮本車」壇箱
 「龍虎(りゅうこ)」は龍と虎を対峙させた図柄です。山車彫刻では亀崎東組「宮本車」壇箱(瀬川治助重光作)に代表され、知多市岡田「里組」や南知多町山海西村の壇箱などにも同
亀崎・中切組「力神車」
様の図柄が見られます。他には乙川殿海道山「源氏車」の前山虹梁紋(虎)と側面の虹梁(巻龍)も龍虎の組み合わせが見られます。
 前項の「四神」で紹介した横須賀北町組などの五霊獣の題材も水引の一面では龍虎を組み合わせて配置されています。
 亀崎中切組力神車の大幕は岸駒の下絵による虎ですが、水引に龍が配されています。水引の下絵も大幕同様、岸駒によるものですから龍虎を意識して画いたのかもしれません。(大幕と水引を組み合わせたものは亀崎西組などにも見られます。)
 さて龍と虎の組み合わせについてですが、古代中国では百獣の王は獅子(ライオン)ではなく虎とされていました。龍虎の組み合わせは強者の双璧とされ、絵画の図柄として取りいれられてきました。前項「四神」で紹介した風水思想では青龍は東、白虎は西と相対的に配置されていることからも、龍虎の組み合わせを伺いし知ることが出来ます。
 龍虎の壇箱彫刻を見ていると「コブラとマングースの決闘」を思い出すのは私だけでしょうか?(笑)

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