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第93回 山車の組み上げと番付

亀崎「青龍車」右後方より
 解体保存されている山車の組み上げの方法は年長者から若年者へと代々受け継がれていきます。山車の組み上げの参加者は山車組によって様々ですが私の所属する旧常瀬木字では山車会、囃子保存会、梶方、厄歳が参加し、経験豊富な年長者の指導のもと若者による組み上げが行われています。
 さて、山車の組み上げには設計図などありません。経験と記憶が頼りです。山車の構造部品は大凡、山車の各部(上山、前山など)毎に箱に入れられています。
 経験を積んでくると部品を見るだけで山車の何処の部品かは分かります。しかし、同じ様な物が幾つもある場合は正確には分かりません。例えば堂山蟇股は10面、堂山木鼻獅子では13個にもなります。こうした物が何処に付くかを示すのが番付「ばんづけ」です。
 何処の山車も大凡同じだとは思いますが瀬木字世楽車を例に山車の番付について紹介しましょう。山車の構造部品の番付は堂山柱が基準となっています。堂山柱は左右四本づつ建てられますが山車正面向かって右側がイ、左側がハ
成岩「神車」
となり中心(柱は梁に建ち後部のみ)がロとなり、右からイ・ロ・ハと三筋に分類し、夫々を「イ通り」「ハ通り」と呼びます。これが山車の前後縦軸になります。
 そして山車の左右横軸には前部から一、二、三、そして最後部が四となります。これらはちょうど山車を真上から見た時に全体の位置が一目瞭然です。
 あと、堂山側面には梁が4本通されますが、これらは夫々、下より下一、下二、下三、下四と番付がされています。山車の構造部品の斗形、虹梁や装飾彫刻にも夫々番付が記され、取り付ける部分が分かる様になっています。
*山車の構造部品、装飾彫刻と番付との関連については次回更に詳しく紹介していきます。

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