[尾張の山車まつり]−[祭吉の山車祭講座][上半田ちんとろ祭の見所]

第82回 上半田ちんとろ祭の見所

 上半田の山車祭はちんとろ舟とよばれる尾張津島神社の天王祭で見られる巻藁舟を模した屋形船が出せることで有名です。北組「住吉丸」南組「入宮丸」二艘の巻藁舟が住吉神社境内の宮池に浮かべられます。古くはこの舟のみの祭でしたが、南組が山車に変わり、その後北組南組双方が山車と船を出す様になったといわれます。
 知多で見られる巻藁船はここ上半田と常滑大野町ですが上半田のものは知多型の山車を模していることが興味深いです。(大野の船は名古屋型を模しています。)日中は上部の巻藁部分に知多型山車のように上山が設けられます。また、花火と言えば夏祭が多いですが上半田では春祭ですが花火も見られます。
 舟の前部に設けられた舞台では子供による三番叟が行われます。知多では操り人形の三番叟が多いですが、人が舞う三番叟はここと、武豊、大府、布土で見られます。
 半田市内各地の山車組の囃子はここ上半田から伝わったとされる地区が多く、半田市内の山車組囃子の本家本元ともいえるでしょう。
 さて、メインの山車ですが北組「唐子車」と南組「福神車」が出されます。祭吉のお薦めする見所は宵宮です。山車が住吉神社に整列し、提灯が付けられます。山車の曳行時は提灯の数は減らされますが、神社では堂山から上山まで沢山の提灯で飾られます。神楽の奉納は一台づつ行われますが、ゆっくり神前に曳き出され、神社拝殿に山車が門付けされ神楽囃子の奉納が始まります。山車の廻りでは若衆が座り囃子を聞き入ります。夕闇に浮かぶ艶やかに提灯で飾られた山車に雅な神楽囃子、本当に情緒深いものがあります。
 今年、平成12年は4月8・9日です。日中の山車もいいですが、私はやはり夜の上半田が好きですね。どうぞ、山車と巻藁船が織り成す上半田ちんとろ祭。どうぞお楽しみ下さい。

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