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第81回 協和の山車の見所

 半田市の成岩の枝郷として形成され、古くは北荒居と言われた協和地区の祭りには西組「協和車」と砂子組「白山車」の二台の山車が曳きまわされます。祭の見所はなんといっても氏神神社の白山社への山車の坂上げです。実際目で見るととんでもなく急な坂で、本当に山車があがるのだろうか?と思うほどです。自動車でもローギアでないと上がっていきません。山車の坂上げには二組が夫々協力し合って山車を曳き上げます。山車の脇にはハンド綱も通常より多く張られます。あの重い山車が無事白山神社社殿前まで曳き上げられた瞬間は驚きと感動ものです。逆に坂下ろしも危険が伴い見所の一つです。
・西組「協和車」
 堂山の斗形は他地区に比べて段数が高く、堂山高欄廻りが重厚に見えます。岸和田のだんじりなどでは此れ以上の段数は珍しくないですが、知多では協和車が最高唯一の山車です。平台輪(山車の側面)の面には二ヶ所に剣花菱の金具がはめられています。これはちょうど車輪の車軸の位置で、この金具を外し車軸を抜くことによって山車の車輪が容易に交換できる構造になっています。こうした構造も知多でも唯一でしょう。(通常の山車では山車の全てを解体しないと車輪は交換できません。)
・砂子組「白山車」
 水引幕は上半田の南組「福神車」の図柄を元とされています。山本香雲の「松に鷹」ですが同様のものが常滑瀬木「世楽車」にもつけられています。見比べてみるのも一興。図柄の配置はまったく同じですが、夫々に色使い、刺繍の縫い方の感じが違います。前項の講座で紹介した壇箱ですが、正面の二人の武人は山車を曳くときには動くそうです。(梶方をしている友人に聞きました。)山車の揺れに合わせてカタカタと揺れるとか。偶然だと思いますが。(さすがに元々そんな細工があったとは考えにくいですけど。)近年新調された追幕は青地に鶴の刺繍です。青地とは面白い趣向です。(亀崎石橋とは逆ですね。石橋は大幕が青地で追幕は赤地です。)あと、前山鬼板です。鬼面は半田では唯一です。

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