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第71回 道教と仙人

常滑市小鈴谷白山車・前山懸魚「鳳凰に仙人」
 山車彫刻には日本のものも多いですが中国のものも多く彫られています。史記、三国志などの歴史物語や道教信仰の中の仙人などです。今回は仙人について紹介しましょう。
 道教は古来からの民族信仰です。中国には他に仏教や儒教も古くからありましたが、仏教は外来(インドから)ですし、儒教は日本で儒学とも言われているように孔子によって確立された思想で宗教というより倫理、哲学の思想と言えます。そのため道教は中国人の間から生まれた唯一の宗教といわれます。
 道教は日本の神道にも様々な影響を与えています。少し前にキョンシーなんて流行りましたが、キョンシーを操る道師が日本で言う神主さんで、キョンシーの額に貼った霊符は日本で言う神札ですね。あのキョンシーの宗教が道教なわけです。
道教は日本の神道に類似した点も多くあります。日本の神道には八百万の神というように大変多くの神様がいますが道教も同様に大変多くの神様がいます。天地創造の神々から歴史上の人物まで様々です。仙人は歴史上の人物も多く、様々な逸話も残されています。 以前、紹介した鍾馗さまも道教の神様で歴史上の人物です。
犬山市「西王母車」からくり
 仙人は神仙ともいいますが、道教における神仙思想により神として取り入れられて行きました。神仙思想にはいろいろありますが一つは不老不死です。普通では考えられない話が沢山あります。あと仙人は空を飛んだり、水上を歩いたり、身体を自由に変えたりと、様々な術を使います。不老長寿を始め人々の様々な理想欲望から生まれたものといえます。
・山車における仙人
知多型山車では彫刻の題材に仙人が多く取り入れられています。名古屋型山車ではからくり人形に仙人が取り入れられています。西王母(張良、関羽は仙人ではないですが道教の神様にもなってます。)など。

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