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第68回 山車の注連縄

各地の山車祭にも注連縄が見られます。神聖な祭典として行われる山車祭。山車あるいは祭の随所に見られる様々な注連縄を紹介しましょう。

山車に飾られる注連縄
・前山虹梁の注連縄
  
常滑市・山方「常山車」 常滑市小鈴谷「白山車」
山車の前壇は神鏡や御幣が置かれ、いわば祭壇となります。神様を祀る祭場として注連縄が張られたと思われます。また、からくり人形も置かれますが、そうした人形も神霊が宿るものとしては同様に考えられるでしょう。
・上山虹梁の注連縄
美浜町・上野間「四嶋組」
上山四本柱を囲むように張られます。上山は山車の構造状でも最も高いところに位置します。地区によってはこの上山に神札をお祀りするところもありますから、神が降臨する仮の山としての意義から張られた注連縄だと思われます。前壇の祭壇という祭場に張られた注連縄に対し、神が降臨する依り代、そのもの守るために張られた注連縄といえるでしょう。
・山車後部蔀戸の注連縄
尾張横須賀や大田の山車の後蔀戸の縁に注連縄が張られます。山車の後部は人の出入り口です。魔は出入り口から入りやすいですから、そうした事からの守りで付けられたものと思われます。(最上部画像「東海市横須賀「本町組」)

亀崎山車の運行路沿いの注連縄
亀崎「潮干祭」では山車の運行路沿いには全て注連縄が張られます。山車も注連縄から出ることはありません。本来の意義は渡御する神聖な神輿を穢れから護るものとして、巡行路沿いに張られたものです。
亀崎東組宮本車の水引「注連縄」
神社に縁の深い東組の山車の水引幕の図柄として使われています。神社と関わり深い注連縄を取り入れより宮本をよく表しています。

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