[尾張の山車まつり]−[祭吉の山車祭講座][垂木]

第63回 続・垂木

一軒繁垂木横須賀・北町組
二軒繁垂木横須賀・本町組
二軒吹寄垂木太田・市場組
 繁垂木には一段のものと二段のものがあります。一軒二軒といいますが、一軒のものは名古屋型では横須賀大門組など、知多型では河和中組の上山などがそうです。
現在多くの山車は二軒となっています。一軒の方が古いようです。河和中組のものは唐破風の幅が狭く、屋根を大きくするに従って二軒になったとも考えられますが、横須賀北町組の上山は一軒ですが二軒の同本町組の山車と同じような大きさですから一概には言えないようです。
 二軒の下の段を地垂木「ぢたるき」または母垂木[おもたるき」、上の段を飛檐垂木「ひえんたるき」といいます。
多くの繁垂木は等間隔に並べられていますが、大田市場の上山は二本おきに一本抜けています。こうした垂木は特に吹寄垂木といいますが、碧南大浜の山車の上山は現在でこそ等間隔の繁垂木ですが古くは吹寄垂木で改修したといわれ、こうしたことから吹寄垂木は古い形式と考えられます。現在、知多で吹寄垂木が見られるのは大田市場だけです。非常に貴重な造りだと思います。大切に保存していただきたいですね。
常滑・瀬木字「世楽車」の尾垂木
 知多型壇箱の斗形から突き出た構造材を尾垂木「おたるき」といい、一部の山車でみられます。装飾的なものです。屋根の垂木とは構造的に異なりますが表現が似ているため付け加えておきます。

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