[尾張の山車まつり]−[祭吉の山車祭講座][垂木]

第62回 垂木

乙川・浅井山「宮本車」の上山
 垂木「たるき」とは屋根を構成する材です。屋根の最上部に渡されるのが棟「むね」といい、それより低く平行する形で渡されるのが桁「けた」といいます。棟から桁にかけて直角(建築によっては斜めにもなります。)に並べられて屋根の面を構成するのが垂木です。棟から桁の方の下に垂れているように見えることから垂木と呼ばれるようです。
 さて、山車では名古屋型では上山、知多型では前山、上山に夫々見られますが、唐破風という湾曲した屋根の構造上、下に垂れているというより、真横に突き出た感じがします。当然、垂木の形も唐破風の曲線に合った構造です。
山車の垂木は屋根を構成する構造材としての役目もありますが、山車ということで装飾的面もあり、非常に細かく並べられています。こうした垂木を特に繁垂木「しげたるき」といいます。また、装飾的面から化粧垂木「けしょうたるき」ともいいます。古く、簡素な造りで天井がないような山車では全て、こうした垂木で構成されていましたが、現在のように天井が付けられ、重厚な屋根となった山車では、見える部分に細かな垂木が使われていますが、見えない部分、天井の上の方は装飾的な面を持たない太い構造材で作られています。
建築物の垂木(大田・黒口組山車蔵) 山車の垂木(名古屋市中村区二福神車)

先ほどのページに戻ります   [尾張の山車まつり]−[祭吉の山車祭講座][垂木]