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以前、知多型山車の改修として常滑市瀬木の世楽車について紹介しましたが、ここでは武豊町長尾馬場の「長北車」の改修について紹介したいと思います。 ご承知のとおり、長北車はもともと上郷村(現豊田市)から購入した山車を知多型に改造した山車です。買い受け当時の山車がどのような山車であったかは分かりませんが現在の山車や残る部品、また豊田挙母祭などの一般に挙母型と呼ばれる三河の山車から当初の形を推測し、三河挙母型の山車から知多型の山車への改修を見ていきたいと思います。
挙母祭に見られる山車は知多型に近い山車といわれますが、堂山の構造上では名古屋型に近いと思います。ちょうど名古屋型の山車の前面を幕ではなく御簾で飾り、前棚部分に高欄ではなく、前面に唐破風の屋根を乗せた感じです。ですから名古屋型を知多型にするような改造であったと思うわけです。 以前紹介した世楽車は一応知多型の山車を原型にしていたわけで改修しても全体の感じはさほど変わってなかったわけですが、ここ馬場の改修は挙母型という名古屋型に近い三河の山車を山車に改造したことで全体的に造り代える大掛かりなものであったわけです。そうしたことで多少バランス的に無理があるような感がないわけではありませんが、上郷という大変な遠方より山車を譲り受け知多型山車に改造した当時の宮大工、彫常の心意気と働きには感服いたします。こうした例は知多半島唯一で大切に保存していただきたいと思います。 |
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