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第52回 彫刻の題材〜天孫降臨

 今回は彫刻の題材でも日本神話から「天孫降臨」について紹介しましょう。この題材は前回の彫刻の題材の検証で示した通り、半田市は岩滑新田平井組の神明車の脇障子に彫られています。
 この天孫降臨は題が示すように天孫つまり天照大神の孫に当たられる瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が神々が住む天上、高天原から豊葦原中国(とよあしはらのなかつくに)-以後中国と表記-現在の日本に降臨されるお話です。
 天孫降臨の前に国譲りのお話があります。中国は悪神がはびこっていました。天照大神は長子神である天忍穂耳命(あめのほしほみみのみこと)に中国を治めさせようとしますが、先立って建御雷之男神(たけみかづちのおのかみ)を中国平定に向かわせます。
中国を平定して建御雷之男神が戻った時にお生まれになったのが天孫瓊瓊杵尊です。天忍穂耳命が天孫瓊瓊杵尊に中国の統治をまかせ、天孫降臨神話へ続きます。
 瓊瓊杵尊には天之宇受売命をはじめ神々が付き従います。高天原から降臨してきたところ、天之八衢(あめのやちまた-道が幾つも分かれているところ)で大変威勢のいい神が立っていました。猿田彦命(さるたひこのみこと)です。瓊瓊杵尊に従っていた天之宇受売命が「なぜ瓊瓊杵尊の降臨を邪魔をするのか。」と問うと猿田彦命は「天孫瓊瓊杵尊が天下ると聞き、先導しようと出迎えに来ました。」と答えます。
 ちょうどこの天之宇受売命と猿田彦命の出会いの場面が岩滑新田平井組の神明車の脇障子に彫られています。
こうして猿田彦命の先導で瓊瓊杵尊は中国に降臨し治めます。
瓊瓊杵尊から数えて四代目に当たるのが初代天皇である神武天皇で神代から人代、現在の皇室へとつながって行きます。かなり省略して書きましたが大体こうした内容です。
今後、彫刻の題材にも関連していきますのでこの物語は覚えておいてください。

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