[尾張の山車まつり]−[祭吉の山車祭講座]−[鳥毛と吹貫] |
追幕とともに知多型山車の上山後部を飾るのが鳥毛と吹貫です。上山をせり上げた時に二本対に立てられます。亀崎では電線など障害物がないところの曳き廻しでも立てられます。柱は多くの場合、竹を割ったもの貼り合わせ非常に弾力性がある造りとなっています。 その上部先端を飾るのが鳥毛です。この鳥毛ですが様々な種類があります。最も多いのが尾長鳥の黒い羽根を使った鳥毛(鳥毛の呼び名はここからきていると思われます。)です。最上部に国旗に付けるような金色の玉がつきます。他には熊毛と呼ばれるものです。これは熊の毛を使ったもので黒色と白色があります。鳥毛と熊毛を半々にしているものもあります。 変わったものとしては亀崎石橋組のものは金の千成瓢箪になっています。亀崎東組のものは陣笠をひっくりかえしたような形です。常滑市場字は古く鉾のような飾りでした。今は白の熊毛ですが曳き廻しには以前のものをつけます。金銭面で簡単な鳥毛になったんでしょうか。 そして、柱に付けられるのが吹貫です。これはほとんどが赤色地に白線が二本入っています。碧南の大浜のものは白地に紺線が二本入ったものもあります。凝ったところは波、千鳥、桜などの刺繍も施されています。 こうした吹貫の幟は祇園祭の鉾を連想し神が一時的に降臨する依代を思わせますが知多型山車のものは二本対であり神の降臨場所の意味はないと思います。亀崎、上半田などは上山にお札を祀っていますから、知多型山車の神の降臨場所は上山になると思います。(ただ、乙川は吹貫の幟がない代わりに御幣が飾られるといわれます。こうしたことから考えると神の降臨場所の意味が元々はあったのかもしれません。) それでは吹貫の幟の役目ですが山車をより高く見せ、山車の居場所を示していると思います。多くの場合、神社など山車が据え置かれたところで吹貫の幟が立てられますから。祭りといえば神社氏子地域全体が祭りとなるわけですが、そうした中でも山車は祭りの中心的存在です。山車を高く飾りつけることで祭りの中心、主役である山車の居場所を示しているんではないでしょうか。あれだけ高ければ遠くかからでも良くわかります。
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