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第34回 端午の節句の鍾馗さま

 もうすぐ端午の節句ですね。あちらこちらで鯉のぼりが見られるようになりました。鯉のぼりと共に目にされるのが鍾馗さまののぼりです。端午の節句には鍾馗さまの人形も飾られますね。今回はこの鍾馗さまについてお話しましょう。
 この鍾馗さま。元々は中国道教の神様で悪霊や邪鬼を退治する神様として崇められます。これが日本の端午の節句にも取り入れられたわけです。鍾馗さまが神様として祀られた由来は唐の玄宗皇帝が病気で就寝中に虚耗という小鬼が現れ玄宗をからかった、玄宗が人を呼ぶと、役人姿の巨大な鬼が現れ小鬼を捕まえて食べてしまった。これは玄宗の夢の中の出来事です。目が覚めた玄宗がこの自分を護ってくれた鬼の絵を描かせて妖気や災厄の守り神としたわけです。
 
布土・護王車
この玄宗を護った鬼が鍾馗さまです。鍾馗さまは科挙(役人の採用試験)に落第して自殺してしまいました。それを皇帝が手厚く葬ったことから国家安泰に尽くすことを決意したとか。
 この鍾馗さまの逸話が山車彫刻の題材として取り入れられています。代表的なものに下半田南組や布土上村の護王車の壇箱「護王の夢物語」があります。護王とは玄宗皇帝を護ったという意味からきています。他には上野間・越智嶋の山車の壇箱や亀崎中切組「力神車」の鬼板のも見られます。こうした題材が山車彫刻に取り入れられたのは木鼻獅子にも通じる霊的な護りの意味もあるような気がします。山車にはこうした中国の道教思想が取り入れられ日本神道と調和しています。
上野間・越智嶋組 下半田南組・護王車

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