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一本の釘を使わずに組み立てられる。と言われる山車ですが、木と木を組み合わせた部分に穴を開け込み栓といわれる細い木材を差し込んで固められます。こうした部分が多い中で唯一縄で締められる部分が梶棒と台輪とをつなぐ
この縄を七五三縄「しめなわ」とか「しちごさんなわ」と呼びます。〆縄、締め縄の字も当てられます この七五三縄で締める部分は左右の両梶の前後、計四ヵ所になります。知多型山車の場合、台輪に開けられた穴に縄を通し梶棒を巻く様にし、梶棒と台輪の間を絞る様にして締めます。台輪の穴は七五三穴と呼びます。 名古屋型山車もほぼ同様ですが、異なる点は台輪に穴が無く、台輪ごと巻くことです。 山車の構造上に於ける七五三縄の役割ですが、梶棒は山車の台輪に立てられた柱に金具や最近ではボルトで締めつけられます。このままでは梶棒にかかる力が柱にかかってしまいます。梶棒にかかる力を山車の土台である台輪にかかるようにするのが七五三縄です。七五三縄の締めつけによって梶棒と台輪を一体にするのです。 七五三縄で梶棒と台輪をつなぐことを棒〆「ぼうじめ」といいますが、この棒〆がしっかりしていないと梶棒にかかる力が柱にかかり梶棒が折れてしまうことがあります。数年前、私の地元常滑の山方の梶棒が折れてしまったことがありました。そうした意味でも七五三縄と棒〆は山車の組み上げでも重要な部分の一つと言えるでしょう。
半田亀崎では祭当日の行事として棒〆が行われます。山車の曳行前や激しい曳き廻しの前に行い、締め直すのです。これについてはまたの機会に紹介します。 さて、一般的に七五三縄と言えば神社にあるわらでつくったものを思い浮かべますが、これは神域と俗世を境に張る縄で聖域を表します。この七五三は縄に三筋、五筋、七筋とひねりをたらすことからきており、いわば当て字です。半田亀崎では七五三縄を七五三の数になるよう棒〆をします。台輪の穴に五本、梶棒に七本、その間を絞るのに三本とします。他の地区の山車ではこうした統一性は見られないと思います。七、五、三と締められたは美しささえ感じます。七、五、三に締められた縄には神聖な山車への思いが込められている様に思います。 |
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