知多半島各地の山車祭の多くは二日間にわたって行われます。(地区によっては一日のみ。)
現在でこそ土・日曜に行われますが、古くは日にちが決まっており、それに合わせて行われました。戦後、社会情勢の変化もあり、平日の祭参加が難しい人が増えたため土・日曜にした所も多いようです。
さて、古くは二日間の祭の前日に「曳初め」といって山車を少し曳き廻しました。所によっては「町内曳き」とも言われます。現在では祭礼日を土日曜に変更したように、平日の参加困難から行われていません。
さて、二日間行われる山車祭ですが、一日目を「試楽」二日目を「本楽」と呼ぶ所が多いようです。「試楽」は言わば試しの祭で、「本楽」本祭に対する前夜祭です。多くの地区で神社において山車を提灯で飾ことから「宵宮」とも言われます。「試楽」は「新楽」「神楽」の字も当てられるようです。
二日目の「本楽」は神社で例祭(年に一度の神社縁りの祭)の祭典が行われ、言わば本祭。「本祭」「本日」とかいわれます。この日は前日の試楽で提灯を付けて夜遅くまで曳き廻すため、昼頃より曳き出されます。また、提灯も付けない所もあります。
おおよそ、こうした二日間の日程で行われますが、地区によっては「一日目」「二日目」とか。半田亀崎では「前の日」「後の日」とも言われます。言い方も様々。二日間とも夜に提灯を付ける所もあります。地区によって山車の曳き廻し、運行形体は様々です。しかし、この二日間の形体は、神輿の警固に由来します。全ての地区の山車祭で神輿の渡御があるではありませんが半田市の亀崎、乙川、上半田、下半田の祭礼には神輿の渡御が行われます。神輿と山車の関係については次の機会にお話しましょう。
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