No.10 |
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尾州乙川村 |
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前回の続き | |
御隠居の珍説に頭が痛くなったのか、鶴爺と源さん逃げ出してしまいました. 退屈になった御隠居、境内に顔見知りの福ちゃんを見つけた..... |
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御隠居 | 「福ちゃん、いいところに来た.この神楽車の壇箱知ってるか?」 |
福 | 「これはこれは御隠居.ご機嫌そうで... 「これですか、『稲穂に鶴』ですね.」 |
御隠居 | 「ちょっと変だと思わんか?私には鶴がくわえている米を、おっさんが横取りしようとしてるように見えるんじゃが」 |
福 | 「そう云われてみれば....」 |
御隠居 | 「だろ! 忍び足で近づいて鶴を捕まえて食おうとしているのかもしれん」 |
福 | 「鶴って食えるんですかい?」 |
御隠居 | 「旨いらしい.『ツルツル、うまうま』というCMがある....」 |
福 | それはカレーうどんのCM(^_^;) 「ですが、この構図では鶴よりもニワトリのほうが似合いそうですね.」 |
御隠居 | 「あっ、そうか!...ニワトリだ.最初はニワトリだったんだ」 |
福 | 「ニワトリ「どこかに居ましたねぇ」 |
御隠居 | 「逃げたのだ.捕まえようとして逃げられたのかもな.....」 「ほれ、すぐ隣の南山の壇箱でのんきに餌を食ってる」 |
福 | 「御隠居、それでこのおっさんは鶴は捕まえられたんでしょうかね」 |
御隠居 | 「無理にきまっとるじゃろ.こんなヘッピリ腰では....」 「ホレ、殿山の高欄の下を見てみろ.鶴はこうやって捕るんじゃよ」 |
福 | 「あ、ホントだ....」 |
御隠居 | フォッ、フォッ、フォッ、 |
2度と続かない |
注: この西山・神楽車の壇箱は今まで「稲穂に鶴」となっていたが、正しくは「鶴の穂落とし」だという. 皇大神宮(伊勢神宮)鎮座の翌年のこと、鳥の鳴く声が高く聞こえて、昼夜騒がしかった. 不思議に思った倭姫命が大幡主命と舎人紀麻良を見に行かせると、志摩の国伊雑の葦原に、根本は一基なのに先の方は千穂に分かれて茂った稲が生えていた.その稲を白い真名鶴がくわえて鳴いていたそうである. それを聞いた倭姫命は「恐れ多いこと.言葉を話せない鳥でさえも、田を作り皇大神に奉ろうとするとは」といい、伊佐波登美神に命じて、その稲を抜穂にして、皇大神の御前に懸け奉ったという. これが三重県磯部町の伊雑宮の起源となる伝説である. 『祭吉の山車祭講座』もご覧戴きたい. |
[尾張の山車まつり]−[今週のアングル2003]−[10] |