No.14b
02-04-16追加


ある日の午後
場所:知多郡阿久比町宮津
黒板塀の町並みは予想外の静けさである.
この宮津の佇まい(たたずまい)はとても好ましい.
何年か前,真夏のある日初めてこの宮津の町を訪ねたときの驚きは今でも記憶に残っている.
まるでここだけ時間が止まっているかのように宮津の町は息を潜めていた.
鎮守の森からは,落ち葉でも燃やしているのだろうか,煙が立ち上り妙に懐かしい匂いが漂ってくる.
何が納めてあるのだろうか,大きな蔵の脇から路地に入ってみる.
土の小径が心地よい.
民家の庭先には色とりどりの花々が咲き誇る.
くねくねと曲がる小径を,よその家に入っていってしまうのではないかと,不安になりながら,なおも歩くと大通りに出た.
大通りと言っても,車1台通れるくらいの道だが.そこはやはり,黒塗りの家並みだった.


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