25-05-02追加

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彫常一門ノ鑿痕 -社寺篇弐-

以前にこのコーナーでも紹介させていただきました『彫常一門ノ鑿痕 社寺篇』 の続篇がこのたび出版されました。
社寺篇弐では東海地方を始め、遠くは秋田県・岩手県・大阪府・香川県など広範囲に及び、調査された社寺が収められています。

「はじめに」より抜粋

平成二十八年「彫常一門の鑿痕 社寺篇を出版してからも彫刻巡りは休むことなく多くの彫刻に出会い、この度「社寺篇弐」 を出版する運びとなりました。

大正末から三国仏壇彫刻の救世主として活躍していた彫常一番弟子の志村流張も腕の良い弟子を育てている事から、流張も同じ様に彫刻に向き合っていたのであろう。
彫常は知多地方の祭礼に曳き出されるおくるまの彫刻を一門総出で彫り上げる一方、福井県武生市の師田組の御用彫刻師として長野県善光寺仁王門や福井県永平寺大庫院の彫刻棟梁を努めるなど多くの彫刻を残している。  

彫常の仕事量は膨大で一門だけでこなすのはひと苦労であっただろう。 その中の一部には自ら刻まず、流張に依頼していた彫物もあった様に思う。
そこで本書は彫常一門だけでなく、流張一門の作品も取り上げる事にした。

後半にはこれまでに出会えた施主の思いが込められた欄間や置物の数々、半田市立博物館のご厚意にて収蔵品を撮影・掲載させて頂く事が出来ました。

見辛い所もあると思いますが、楽しんで頂けると幸いです。  

特別寄稿「彫常と私」~テノール歌手 秋川雅史

私自身彫刻を手がけるようになり、さまざまな彫刻家と出会う中、みんなが口を揃えて 「愛知県半田市の祭りの山車を見た方がいいと言うのである。
(中略)
注目した点は彫常の彫る龍が、半田にとっての龍の好みの礎を築いているという 事だ。そしてそのレベルも極めて高い。
ネームバリューという意味では立川は全国随一であるが、作品のレベルとしては立川と彫常は横並びにいると言ってもいい。
それまでこの名前を知らなかった事が彫刻好きとして恥ずかしさすら感じ、すっかり彫常彫刻に魅せられた私はさまざまな市場の情報収集を行い、彫常の作品のコレクションを始めることとなった。
(中略)
現在彫物の作品として国の重要文化財に指定されているものは一点もない。重要文化財に指定されるには作品の芸術性のみではなく、歴史的存在意義も必要となってくる。そういう意味において 書物として作家や作品の歴史詳細を残していく事はとても重要だ。
今や伝説にもなっている彫物師の元祖 左甚五郎においては、文献があまり残っていないため、その存在すら疑問視されている。
今現在各地の彫刻愛好家が 立川・後藤・伊八・ 雲蝶等の書物を作りその価値を残していこうと活動している。
今回彫常彫刻を後世に残していくべく研究され、出版にまで至った佐野太作さんの活動に敬意を表するとともに、私も彫刻家としてまた彫刻作品の愛好家として力になれたらという思いでいる。(※スペースの都合でwebでは要旨のみ抜粋しました)

・収録社寺一覧 

■書籍名
『彫常一門ノ鑿痕 社寺篇弐』
■編集・出版
佐野太作
■体裁
A4版カラー125頁
■価格
3,000円 (送付希望の場合は送料込み3,600円)  
■印刷製本
東洋印刷株式会社 
■発行日
令和7年5月3日
■取扱所
・マツシマ建築(8:00~18:00定休日土・日曜日) 5月7日以降取扱予定
  
 半田市新栄町5-2 
 
上記取扱所での販売数には限りがあります
  
予約等でのお取り置きはしておりません
 
 
■地方発送
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前作『彫常一門ノ鑿痕-社寺篇』も若干の在庫があります
※「尾張の山車まつり」では、上記書籍を紹介したのみであり、内容等一切関与しておりません.
また販売・送付時のトラブルに付いての責はご容赦下さい. 

内容の一部