知多半島の山車を数多く手掛けた彫刻師彫常こと新美常次郎の作品を紹介する書籍です.
かねてより彫刻研究、特に地元の彫常の作品を調査されていた佐野氏がこれまでの集大成として製作したもので、知多半島の社寺を中心に多くの作品がおさめられています.
はじめに〜より
幼き頃、兄に連れられ下半田祭礼に曳き出されるおくるまを曳き始める。何時の頃からか、おくるまを華やかに飾る撒くに施された刺繍、各所に取り付けられた飾金具、そしておくるまの顔である緻密な彫刻群と、月日とともにその魅力に惹かれました。
早瀬・立川・そして彫常流と、ここ知多地方のおくるまを飾る彫刻は数多の出版物もあり多くの人達に知られている。しかし神社や寺院等に施された彫刻の存在は、余り伝えられていない。
平成24年冬、一宇の御堂が取り壊しになり、取り付けられていた彫刻の姿も消えてしまった。彫刻の作者は彫常の手による物だった。もう少しこの御堂や彫刻の事を知っている人達がいたのなら彫刻まで無くなることはなかったのではないか。
この度、今まで調べては撮影してきた彫常一門による彫刻群、その存在を知っていただきたいと思い写真集にしました。
収録社寺 業葉神社、無量壽寺、道場山神明社、久遠寺、徳林寺、東光寺、楠村天満宮、長壽寺、八剣社、総社大神宮、成石神社、住吉神社、常楽寺、東本願寺、名古屋別院、他計85社寺