若宮祭〜福禄寿車〜山車彫刻

名古屋型の山車は、彫刻がその存在感を主張することはなく、この福禄寿車も山車彫刻は屋根部の鬼板・懸魚・太平鰭など伝統的な手法で装飾されています.

福禄寿車で目を引くのは高欄下支輪に飾られた蝙蝠(こうもり)です.また星座二十八宿で山車の周囲が飾られています.これらの彫刻は随所にルビーや瑪瑙(メノウ)・珊瑚(サンゴ)などが使用されています.
彫刻作者は保存されている箱書から早瀬勝蔵の作とされます.

早瀬勝蔵
彫長(早瀬長兵衛)系の彫刻師と思われますが、詳細は不明.常滑市十王町の梅栄車の彫刻を早瀬勝蔵が手がけており、その墨書により長者町(名古屋市中区)に住んだ彫雲堂早瀬勝蔵と同一人物と推定されます.


正面内高欄彫刻

高欄錺金具(こうらんかざりかなぐ)

前棚高欄蕨手(まえだなこうらんわらびて)
支輪部の彫刻
蝙蝠(こうもり)
蝙蝠(こうもり)
星座二十八宿
星座二十八宿
鬼板・懸魚
(おにいた・げぎょ)
太平鰭(たいへいびれ)
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