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八公の官員さん1
それ以前は洋服を着て腰にはサーベル,頭に帽子を被るという特異な人形であったことをご存じだろうか. この人形は明治10年(1877)5代目玉屋庄兵衛の作で,「官員さん」と呼ばれ親しまれていたのだが,昭和60年に帽子を髷に変えて,洋服の替わりに着物と羽織を着せたのが,現在の信長前人形なのである.(8代目玉屋庄兵衛修理) 人形の寿命は一説によると100年といわれる.実際には傷んだ部分や部品を取り替え,修理しながら今に伝えられているのである. ある時期に,全く新しく別の人形に作り替えられることもあるが,最近では傷んだ人形はそのまま保存し,複製した人形を新たに作って,祭礼に使用する場合が多いようだ. ところが,八公の前人形は整形美容のように,姿かたちは変わっても中身はそのままなのだから,稀なケースになるのではないだろうか. さて,その「官員さん」とは何者なのか.今となってはその姿は写真でしか見ることが出来ないので詳しい事は全く判らない. 明治維新後に旧士族が,役所・警察・郵便・鉄道などの職業に多く就いたようで,これらをひっくるめて官員といったようである. では,八公の官員さんの職業(職種)はその中の何だったのだろうか? 私はつい最近まで,これは警察官だと思っていたが,腰にさげたサーベルは当時としては警察官だけではなかったようである. |
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以下「八公の官員さん2」に続く |
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