尾張の山車まつりへ [横須賀まつり訪問記]−[13]


〜第13回〜
「なになに、そんな心配は無用、横須賀まつりは不滅」だとおつしやるか
そうだなあ、そうあつてほしいのはオイラも同じ
しかし、今の横須賀が昔の横須賀とは違うやうに、未來の横須賀が現在の横須賀と変はらない同じやうな町だとは言ひ切れまい
高山のやうな比較的閉鎖的な、それも観光客で潤う町とは違つて、ここは名古屋も近く、工業地帯の一画だし、いくらこの町と祭りが好きだからと言つても、人には生活がある、開発が進めば泣く泣くここを立ち退いていかなければならない人も出てくるだらう、今より一層人の出入りは激しくなるかもしれん

さうなると極端な話、近い将来ここは高層マンシヨンや団地の立ち並んだ、今とは全く違つた新興住宅街に変貌してゐるといふこともありえない話ではない
すると、祭りもどうなるか分からない
古くから住んでゐる人の数はだんだん少なくなり、からくりを操る人は言ふに及ばず、お囃子を奏する人は誰も居ない、山車を担ごうといふ人も居ないといふ哀しい状態になるかもしれない・・・

おつと、御免御免、どうやらあんたを少々落ち込ませてしまつたやうだな
いやいや、オイラは横須賀をよく知らない妖・・・ぢやない、東京の人間、この町をちよつと見ただけで大げさに考へてしまつて、生意氣なことを言つてしまつた、ははは、オイラの勝手な戯言と思つて堪忍して下せえ・・・

うん? しよんぼりしてるなあ
そんなに氣にすることはないつて、杞憂、杞憂。あんたら若衆がしつかり伝統を受け継いで、真剣に祭りの存続を考へてゆけば大丈夫
新しい転入者には祭りの重要性を訴え、しつかりと啓蒙を施し、からくりやお囃子の継承者を育成し、山車は愛情をもつて丁寧に扱つてゆけば
そうそう、横須賀まつりは絶対に滅びない・・・だらう。多分・・・

しかし、山車の老朽化、これは避けられないだらうなあ
まあ、それはそれで、その都度修理したり、新しく作り直したりしてゆけばよいか
しかし、住む人ががらつと入れ替はつてしまつたとしたら?
市長を始め市の上層部の顔ぶれも変はつてしまひ、祭りを理解してくれる人は居なくて、「祭りに山車なんか要らない、そんなものを維持するのに税金が出せるか」などと、山車は虐待される幼児のやうに除け者の扱いを受けたとしたら、どうする?
うんうん、いくらなんでも、そんな悲しいことになるとは思へない、とな
しかし、世の中何が起きるか分からんからなあ、実際、過去には山車を廃棄処分にしたり、他の町に売り飛ばしてしまつた町もあることだし
なになに?命に賭けてもそんなことはさせない、もし、そんなことになつたら俺たちは山車と祭りを守るために立ち上がる・・・とな、
うううむ、氣に入つた!氣に入つたぞおお、そうこなくつちや!
よおおし、その時はオイラも一肌脱ぐぞお!
是非一揆に加えて下せえ
山車祭り好きの皆の衆、みんなも頼むぞお!
横須賀まつりを守るために、みんなで立ち上がるんだああああ・・・

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