常滑市西之口祭り〜雷神車〜からくり人形

明治中期まで使用されていた雷神車のからくり人形は、いつしか忘れられていました.
平成3年に発見された時には、手足はバラバラで破損・紛失した部品もあり使用できる状態ではありませんでした.
この人形は名古屋広井村中之切で使用されていた張良人形で、弘化4年(1847)に隅田仁兵衛真守によって作られたものです.

鉄砲津に保存されている「龍神車諸事扣帳」によると、中之切から譲られた人形は「麾振童子」「黄石公」「張良」「龍神」の四体で、『張良と黄石公』だったことがわかりますが、現在では黄石公の人形はなく『天照大神』となっています.

平成10年に横井誠により修復され、復活しました.

発見時の張良人形

■分類
面かぶりの変身
■作者
隅田仁兵衛真守
■制作年
弘化4年(1847)

童子を従えた老人が川に投げ入れた沓(くつ)を拾うため、激流に挑んだ張良.
突然現れた龍神と勇壮に戦って、見事に沓を取り戻しました.

張良の武威を賞賛した老人(実は黄石公という仙人)は、太公望の兵書を張良に与えて今後の出世を予言します.
黄石公に従っていた童子もまた黄石公から差し向けられていた龍神の化身であり、以後守護神となって張良の出世を見まもることを約束します.

そして張良は、兵法の秘伝を伝授された張良は大いに喜び、意気揚々と舞います.

※黄石公の人形がないため、今のところ物語として成立しませんが、いつの日か黄石公が大将座に座る日も来るのでしょうか.

采振人形

隅田仁兵衛真守 弘化4年(1847) 平成10年横井誠修復


人形の目はまたたき出来るように作られています.
 

張良

隅田仁兵衛真守 弘化4年(1847) 平成10年横井誠修復

龍神

天照大神