名古屋市東区筒井町の神皇車が建造されてから、平成29年(2017)で二百年を迎えました。
「尾張の山車まつり」でも大変お世話になっている朱高欄さんこと大内裕二氏が、このたび『筒井町天王祭 神皇車の歴史 二百年の歩み』を出版されました。
二十年にわたり調査された神皇車の歴史と資料が115頁に凝縮されています。
●神皇車の歴史 本文編
三之丸天王祭と神皇車、町々の天王祭と建中寺前天王祭、新屋敷から筒井町へ、筒井町天王祭の誕生、神皇車製作年代、神皇車の改造と装飾品の新調、からくり人形、お囃子、祭宿、楫方、いにしえの衣装、木遣り、組織、山車の保管、名古屋まつり、曳行コース(戦後)、神皇車奉曳の記録、行事への参加記録、等
●神皇車の歴史 資料編
筒井町天王祭に曳かれる神皇車は、三之丸天王祭の見舞車として、廣井村新屋敷より曳き出されていた山車を購入したものである。三之丸天王祭は、東照宮祭、若宮祭と共に、名古屋三大祭の一つに数えられ、御城下の山車祭りとして発展した。祭りは名古屋人の誇りであり、その主役である山車は戦前70輛余存在したが、太平洋戦争等で1輛の車楽と9輛の山車を残し、そのほとんどを失った今日、からくり山車の本家にとって大変残念なことである。神皇車は三之丸天王祭の見舞車として誕生以来、現在も筒井町天王祭の祭車として曳行している。天王祭一筋の歴史を持つ山車である。神皇車は新屋敷で建造されてから2百年余の時を数えた。建造2百年を節目として神皇車の歴史を振り返ることにする。(「はじめに」より抜粋)
平成30年(2018)6月、神皇車は建造二百周年を迎えました。神皇車は三之丸天王祭の祭車として、現在は筒井町天王祭の祭車として、天王祭一筋の歴史を持つ山車です。現存する山車は少なくなりました。神皇車は名古屋三大祭りの伝統を受け継ぐ山車として、名古屋の山車文化を後世に継承する使命があります。この度、建造二百年を節目に、神皇車の歴史を冊子に纏める事に致しました。後世への伝承、後継者育成の資料となれば幸いです。(「おわりに」より抜粋)