テレビのアナログ放送が2011年7月には見られなくなるという.
私の周囲だけかもしれないが、「まだ先のこと」と楽観している家庭が多いような気がする.
nova家は昨年(08年)までに居間のテレビ1台とHDDレコーダーの地デジ対応は完了した.アナログとデジタルの画質・音質の差は想像を超えていて、こんなに違うならもっと早く切り替えれば良かったかなと思う.
ただ、私の家庭内での位置づけは微妙で、ひょっとしたら飼い猫より発言権が無いかも知れないと思うときがある.もちろんチャンネル権は私には存在しない.
もっとも...週末には家に寄りつかず、平日の夜もテレビよりもPCのモニターを眺めている時間の方が長いのだから、自業自得ではあるのだが.
それで、どうしても見たい番組があるとHDDレコーダーに録画して、家族が寝静まった頃に見るか、DVDにダビングしてパソコンで見たり、別の部屋のテレビで見る事になる.
そこで問題になるのが地デジの制限事項.CPRMやらHDCP、COPPとかいう著作権保護規制で地デジ対応の機器でないと再生出来ない.
つまりPCで地デジ放送をデジタル録画したDVDを見るときは、DVDドライブ→グラフィックボード→再生ソフト→モニターのうち一つでもHDCPに非対応だと再生出来ないということ.
地デジ推進のキャンペーンを盛んにやっているが、テレビ1台だけならそれなりの出費で済むだろう.
だが、いまどき一家に一台でもあるまいし、家中のテレビやレコーダー、PC本体と周辺機器を全てデジタル対応に切り替えるとなれば、相当の覚悟はしなければならない.
車載テレビもそう.ちょっと前の機種だとアナログだったり、CPRM非対応のDVD装置だったりする.
とても長い前置きになったが、そんな訳で『パソコンでデジタル録画番組を見る計画』のスタートである.
無論最近のデジタル対応な『メーカー製テレパソ(テレビパソコン)』を買えば、こんな面倒な計画を立てる必要もないが、私のPCはパーツを組んで作った自作機だから、全部自分で考えて対策しなければならないのだ.
私のPC環境でHDCPに対応していない機器は、幸いモニター(ディスプレー)だけだった.
モニターは4年半使用しているナナオの19インチ液晶モニターで、画像処理だけなら全く不満はないが、CPRMに対応していない.
モニターはパソコンのパーツの中でも非常に重要なものだと思っている.
長時間注視することもあるのだから、目が疲れてチカチカするようなモニターを使い続けるのは苦痛以外の何ものでもない.
そしてこれが一番重要なのだが、色再現性の悪いモニターは、画像編集で差し障りがある.
そんな訳で、いつの間にか主流の座についたワイド(16:9)モニターを物色するのだが...
ハイビジョンの再生ならフルHD(1920×1080)の解像度は必須である.なおかつ視野角が広くて、写真のレタッチが過不足無くできて、IPSパネル液晶で、現有19インチモニターと同等の大きさで文字フォントを表示して.....しかも出来れば10万円以下で.
しかし、こんな条件を満たすモニターは存在しなかった.(09.05現在)
どこかで妥協しなければならないが、予算に少しばかり目をつぶって選んだのが、三菱RDT261WHという25.5インチのモニター.
これで地デジ録画DVDが見られるようになった.画面が広いのでその気になれば、DVDを見ながらネットやメールも十分可能だ.
地デジチューナーボードを増設すれば、PCに録画し編集することも出来るし、リアルタイムにTVも見られるのだが、まぁソコまでしなくてもいいだろう.
ただ、広いと思ったパソコンデスクが一気に狭くなってしまったのは想定外....
最初は目玉だけキョロキョロさせたり、左右端を見るのに首を振って見たり.
マウスカーソルさえも、見失ってしまう.
しかし、慣れると使い勝手はすこぶる良い.モニターは机と同じだと言うが、確かに広くて便利だ.
A3サイズや写真の四切サイズが原寸で表示出来るし、PhotoShopや画像処理ソフトなどツールバーを分離させる事が出来るアプリはウインドウ外に出してしまえば、さらに幅広く使う事が出来る.
ただ、縦の解像度は思ったほど大きくないので、山車など縦長で撮る事の多い私には縦方向が寸詰まりで、喜び半分といったところだろうか.
写真1は従来の19インチモニターで画像のサムネールを表示させたところだ.横8×縦7で56枚の画像が表示されている.
写真2の新しいワイドモニターは横14×縦8で112枚.
何と倍以上の表示能力だが、祭り紀行の更新スピードが倍にならないのはご承知の通り.
しかし何と場所を取るモニターだろうか...