尾張の山車まつりへ [まよいごと]−[ポイントカード]

ポイントカード

 私はケチではない.......と思う.
が、「お得」、「無料」といった言葉には敏感に反応してしまう.典型的な小市民なのだろう.
だから、買物をしていて『ポイントが付いてお得です.会費は無料ですよ』の店員の薦めがあるとホイホイ応じてしまう.何せ無料だから(^_^;)
 先日も新しくカードを作ってもらったが、かすかに見覚えのあるデザイン.ダブって作ったのかもしれない.
それで、財布やカバン、車の中をチェックしたら、家電量販店とカメラ店だけでポイントカードがこんなにゾロゾロ出てきた.他にも書店、CDショップ、衣料品店、など全部並べたらトランプが出来そうである.何せタダであるし仮に無くしても実害は大してないので、いつ作ったのか、どこの店なのか全く記憶にないカードまで出てくる始末.

 このポイントカードだが、購入金額に応じて一定率のポイントをカードに記録し、次回の買い物から差し引くという方式が多いようだ.
年会費など無料だから損は無いはずだが、はたしてこのポイントカードはお店がいうほどお得なのだろうか、何かからくりがあるに違いないと検証してみた(決して暇人だと思わないでいただきたい)
 これらの店で値札から更に値引き交渉しようとすると、決まって店員の使う慣用句がある.
「ここからポイント分の○%を引きますと実際は●円になります.お買い得でしょう」
試しに「ポイントはいらないから現金で値引きしてくれ」と頼んでも、答えは無論「ノー」である.

商品価格 支払額 ポイント額
1回目 10,000 10,000 1,000
2回目 10,000 9,000 900
3回目 10,000 9,100 910
合計 30,000 28,100 2,810
 実際に計算してみよう.仮に1万円の商品をポイント還元率10%のお店で3回連続で買った場合、最初はポイントが0なので10,000円の支払いとなる.
2回目は前回のポイントが1,000円あるので、支払額は9,000円.3回目はその9,000円に対しポイントが900円だから支払いは9,100円となるのだ.表にすると右のようになる.

 合計30,000円の買物をしたのなら、10%引きで合計支払額は27,000円になってもよさそうであるが、実際支払うのは28,100円である.28,100÷30,000で実値引率は6.3%にしかならない.
 同じ方法で25%還元で5回買物をした場合もやはり16.8%となって、表面上の率とはかけ離れた数字となる.

 なぜだろうか?
着眼したいのは「ポイントは次回の買物で」と「ポイントでの買物分に対してはポイントが付かないこと」である.
例えば100%ポイント還元のお店があったとしよう.「わぁ〜タダジャン!」と早合点しないでいただきたい.
では、慌て者が70万円のプラズマテレビを買ったとしよう.タダではない証拠にレジで70万円払わなければならない.買った後で70万円分のポイントが貰えることになるだけだ.もちろんこのポイントで70万円分の買物は出来るのだが、プラズマテレビを買っただけでは全然お得ではないのだ.次回70万円分の買物をして初めてメリットが出てくる.そして、70万円で140万円買ったのだから実質50%引きであって、決して100%=タダではないのである.

 このポイントカード、確かにお得ではあるが、細かく計算してみるとそれほどでもないことも.
やはり私はケチだろうか......

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