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ノゾキ

大どんてんにノゾキという手法がある.
森俊夫氏の「我が町我が故里のまつり どんてん」によると
覗き=十字路に山車の楫棒の一部を覗かせて、その位置から山車の楫棒を担ぎ上げ、歩いて山車を十字路の中央に持ってきてから「どんてん」を始める技のこと
とある.つまり交差点から外れた位置に山車があり楫棒だけが覗いている状態だからノゾキなのだと.

大どんてんは同盟書林脇の十字路(通称どんてん場)の中央付近で北向きに山車を止め愛宕神社に正対して楽(囃子)とからくりを神社に奉納する.
そして、その位置から右廻りに1回転〜3回転するのが通常の大どんてんである.
ノゾキの場合はこの十字路から外れた位置に山車を止め、担ぎ上げてからそのまま歩いて十字路中央まで後退しどんてんを開始する.
愛宕神社寄りから開始するのを北ノゾキ、反対に愛宕神社に背を向けて玉林寺方向から開始するのを南ノゾキ、海側から開始するのを西ノゾキという.
 ※東ノゾキつまり本町交差点方向からノゾキを行うには地形的に無理があって今まで東ノゾキが行われたことはない.

また北ノゾキや通常の大どんてんであれば、1回転(360°)、2回転(720°)のように整数回転となるが、南ノゾキでは1回1/2回転(540°)、西ノゾキなら1回1/4回転(450°)で愛宕神社方向に曳き出すことになる.
南ノゾキ、西ノゾキはかつての公通組に多く見られたが、特に重量の重い圓通車で整数回転では失敗する可能性のあるときなど西ノゾキや南ノゾキが行われたという.

大どんてんの終了後に山車を下ろさず担いだまま愛宕神社に向かうのをナガシと云うらしいが、これは近年の大門組のお家芸だ.

どんてん場の周囲の家並みが取り壊されが広くなったため、大どんてんがつまらなくなったという声が聞かれるからだろう.今まで考えられなかったような大どんてんが出現するようになった.
平成16年の北町組は十字路の西側から東を向いて前進して大どんてんを開始2回3/4回転したが、これは東ノゾキとは呼ばないようだ.
また平成17年の大門組は北ノゾキから一旦南へ下がり再びどんてん場まで前進してから大どんてんが始まった.ノゾキとナガシの複合技だろうか.


 このどんてん場から南に行ったところに日ノ出湯、そして今は空き地になっているが西にはツバメ湯という二つの銭湯があった.
西ノゾキをするために山車を西側に寄せると、上から女湯が覗けたという.真偽のほどは定かでないが、一説にはこれがノゾキの語源だとも云う.

南ノゾキ

西ノゾキ

北ノゾキ

東からの大どんてん

これが通常の大どんてんの位置決めだろうか
※西ノゾキ、南ノゾキの画像はstone'sビデオコレクションから借用した.
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