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公通組の土用干し

 横須賀では8月の第1日曜に4組一斉に土用干しが行われる.山車蔵を開け、山車を曳き出して幕類、提灯などを干すのである.また秋の祭礼をひかえ提灯の点検修理の手配もこの日に行われる.
 どの組も似たような手順なのだが、公通組だけは少し趣が異なるので紹介する.
公通組には神社に近い「八公車山車蔵」と浜側に「圓通車山車蔵」があるが、朝一番に八公車の山車蔵に入っている山車(八公車とは限らない)を圓通の山車蔵まで曳いてくる事から始まる.ここで圓通の蔵から出されたもう1台の山車が僅かな時間だが2台並ぶ珍しい光景が見られる.
 そして今度は再びその圓通の山車蔵に入っていた山車を八公の山車蔵まで曳いていくのである.※1
つまり双方の蔵に収めてある山車を入れ替えてしまうのだが、これには次のような理由があっての事である.
 圓通車、八公車は隔年で祭礼に曳き出すが、祭礼に参加しないほうの山車は本楽の日にどんてん場(同盟書林脇)近くに展示をする.この展示山車はどんてん場に近い八公の山車蔵に出し入れした方が都合がよい.※2
一方祭礼に参加する山車は宿のある圓通山車蔵に収めないと祭礼準備などで不便である.その為に前年の祭りでそのまま格納した山車を入れ替えて本年の祭りに備えるのである.
 このように1年の半分は圓通車の山車蔵に八公車が格納され、残りの期間は圓通車の山車蔵に圓通車が入る、つまり元のサヤに収まる事になる.
※1これは平成16年の事で、八公蔵に入っていた圓通車を圓通蔵に収め、圓通蔵の八公車を同盟経由で八公蔵に収めた.
平成17年には最初に圓通の蔵から圓通車を曳き出し八公蔵に収めてから、八公車を移動させていたから順序は決まっていないのだろう.
※2本楽の夕刻大どんてんが終わった後に、展示車輛を片付ける.展示場所から八公山車蔵までその距離は50m足らずだから目と鼻の先なのだが、それでも小若が乗り込み楽(囃子)を演奏しながら曳いて行く.これも横須賀まつりだ.
無論公通組は自組の夜祭り準備で手が離せないので、楫は保存会で行っている.
(公通組の山車展示は天候や都合により実施されない年もあるが、山車蔵の扉は解放され見学出来る配慮がなされている)

八公山車蔵前で2輛が並ぶ

移動中の八公車

八公山車蔵内の圓通車
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