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水引幕・大門組

・大門組山車
 大門組の水引幕は近年3種見られた.現在のものは鳳凰の織物であるが、昭和後期まで黄緑色の西陣織だった.
大門組の水引幕は乳布を介さず、赤幕と同様の手法で直接山車に取り付けている.この方式の方が古い形式なのだろうか.
 現在の水引幕と旧幕の間に1年だけ紺色の水引幕で祭りを行った年がある.水引幕が間に合わず自動車用のシート生地で登場することになったという.

 この紺色の水引幕は現在でも残されており、拝見する機会があったが、面白いことに旧水引幕の上から紺布を被せミシンで縫い合わせたものだった.
糸をほぐすと中から黄緑色の懐かしい水引幕が現れたのだった.
 これより更に古い水引幕も保存されているが、いつ頃のものだろうか、痛み具合から相当古いものと思われる.意匠ははっきりしないが、牡丹の花のようである.

 追幕は大門組の特徴の一つで組紋が金刺繍されているが、名古屋型系の追幕は有松「唐子車」など数少ない.
単なる装飾ではなく、三番叟の変身からくりの仕掛けが見えない工夫だろうか.以前は公通組圓通車にも見られたが、今はない.

1年間だけ使用された紺の水引幕

左の水引幕の下は旧水引幕.龍文か.

2世代前の大門組水引幕.
水引幕は乳布を介さず、赤幕
と同様の手法で直接山車に取
り付ける.
この方式の方が古い形式なの
だろうか.

左圓通車と右大門組の追幕(昭和2年頃)
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