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水引幕・北町組

・北町組山車
 赤地に龍・虎・鳳凰・麒麟・亀の霊獣を金糸で刺繍した水引幕は本町組とは逆にインパクトの強い意匠である.左側面に龍虎を対比させ、右側面には鳳凰と麒麟、そして後面が亀である.

 この水引幕だが、全く同じものが他地区にも実在する.名古屋市緑区鳴海町花井の山車と、知立市中新町の山車だ.デザイン配色も全く同一であるから、おそらく同じところで同時期に作られたものだろう.(現在は鳴海も知立の幕も新らしく復元新調されており、当時の幕はこの北町組だけであるが、傷みも目立ちそろそろ修復の時期だろうか)
 同じ水引幕が存在する経緯はわからない.町内の意向を取り入れた意匠が採用される事が多い水引幕であり、山車の寸法に合わせて作られるものであるから不思議ではある.
 また、豊田喜多町の水引幕も地色は異なるが、下絵は同一と思われる.

 同一デザインの水引幕の例は思った以上に存在する.参考までに例をあげると、
名古屋東照宮祭桑名町「湯取車」の「群鳩」の水引幕(下絵森高雅)は常滑市大野唐子車と同一であるし、乙川南山「八幡車」の下絵も同じかと思われる.また、上半田南組・福神車と常滑市瀬木・世楽車の水引幕も同じ意匠の「松に鷹」である.

鳴海裏方祭・花井山車

知立まつり・中新町山車

挙母まつり・喜多町山車
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