尾張の山車まつりへ [どんてんぐるま]−[山車の幅2]

山車の幅2


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  本町組 福禄寿
輪懸部 248 283
本体幅 173 192
高欄部 251 252
四本柱 138 131
屋 根 248 219
 幅狭の山車を少しでも大きく立派に見せようと、横須賀の山車は各所に工夫がされている.
 名古屋型の山車は外輪の車輪を輪懸(横須賀では台枠と呼ぶ)で覆うために、台輪(山車の土台)より更にこの輪懸がはみ出している.
 横須賀の山車は、他地区と比べ車輪の幅が狭く作られている.道路限界により総幅が決まってしまうゆえ、本体からはみ出す部分を少なくして山車本体の幅をギリギリまで稼いでいるのである.

 一方、道幅とは直接関係ないが、横須賀の山車は名古屋型で最も背が高いことをご存じだろうか.名古屋型の山車は大体5mから6m前後で高い山車でも6.4mくらいである.
 横須賀では最も低い大門組で6m、本町組と北町組で6.8m(両車は四本柱の修理で更に高くなったというから7mくらいだろう)だから、かなり高いことになる.
幅を広く出来ない分、高さにそれを求めたのだろうが、これも山車を大きく見せる手段だろう.

 このように幅が狭く背が高い横須賀型と標準名古屋型では、このようにプロポーションが全く異なっており、どっしりとした名古屋型に比べ横須賀型はやや安定感を欠く感もある.

 ここで、標準的な名古屋型の代表として若宮祭の「福禄寿車」と横須賀「本町組山車」の各部寸法を比較してみよう.
 ※福禄寿車は若宮祭で唯一現地に残る山車で、延宝4年(1676)の建造.明治以後改造もなく原型を保っていることから例として選んだ.横須賀型は実測値のある本町組の山車を対象とした.
右の図を参照しながらご覧いただきたい.黒が福禄寿車で赤が本町車である.

 山車の最大幅、つまり輪懸部分は当然福禄寿車が35cm広い.1階の柱部分では差は20cmに縮まる.前項で述べた車輪の幅が狭いためだ.
 2階の高欄部分の幅になると両車はほとんど同寸になる.両車ともに出高欄ではあるのだが、本町車が極端に張り出しが大きいのである.
更に2階の四本柱の間隔では、本町車が逆転している.
 注目したいのは2階の屋根で本町車が福禄寿車に比べ、30cmも大きくなっている.輪懸の寸法と同じなのに注目していただきたい.

 このように、福禄寿車(名古屋型)が下部安定でどっしりとしているのに比べ、本町車(横須賀型)では、下から上にいくに従って量感が増すように造られている.また、実際に高重心であるのだが、ここでは述べない.

 計算して造られたと思われる横須賀型の山車だが、何度も述べたようにやや安定感に欠け、バランスも悪いように思われるかも知れない.
 しかし、横須賀の山車は横須賀の町を曳かれるのである.狭い町角で山車全体は見えない.離れてどんてんを見物したり、近くで山車を見上げて大きく、美しく見えるのが横須賀の山車.
 「山車はその町で曳かれるのが最も美しい」のだ、サマーフェスタや東海秋祭りで広い元浜公園に展示される山車はそれがスポイルされると思うのだが....
 ※上記山車寸法は実測値と、山車図面から換算した数値が混在している.決して正確ではないが、大まかな比較対照には支障がないと判断し掲載した.  
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