尾張の山車まつりへ [どんてんぐるま]−[海老紙と祝儀笹]

 海老紙と祝儀笹

 祭りを行い山車を動かすには様々な費用が必要となる.町の内外から祝儀を頂戴し、運営費用とするのは日本全国どこでも見られる光景である.(亀崎のように祝儀のない祭りは例外中の例外だろう)
 これらは海老紙(えびがみ)にしたため,祭宿に貼りだし掲示するが、これも横須賀に限らず珍しい事ではない.

 特徴的なのは海老紙を竹笹の枝にくくり,山車後部に飾りつけて披露するという事である.(これに使用する笹は祭り当日の朝,新鮮な竹を切り出しに行くという.)
 現在でも一宮市石刀などでは山車に直接貼り付けた例を見かける.犬山などでも古くは同じようにして披露していたようであるが,笹につるす例は横須賀と大田以外では見かける事はない.
 この祝儀笹は本楽のみ山車に取り付けられるのだが,大門組は試楽・本楽両日ともに祝儀笹が飾られている.

 本楽の朝に愛宕神社前で飾られた笹は、巡行途中の愛知銀行脇で山車から外され、同盟書林横のどんてん場に立てられる.
 海老紙は印刷した既製品もあるようだが,横須賀では若い衆が朱泥で手際よく描いていく.
近頃はパソコンで入力し,プリントアウトしたものを貼り出す地域もある.祭礼行事自体元々非合理的なのだから.効率化すればする程味気ないものとなるだろう.出来る限り伝承して欲しいものである.

 この山車にくくりつけた祝儀笹だが,よそから見物に来た人には案外不評である.なぜかと問えば,山車がよく見えないと言うのである.確かに高欄下の支輪彫刻や水引幕など一部が隠れてしまう.
 古くからの伝統であり,地域に密着した祭礼行事ということでご容赦願うしかないのだが,最近では東海秋まつりにも横須賀の山車が出場する事が恒例となってきている.山車を隅々まで鑑賞するのであれば,こちらでご覧いただくのがよいだろう.
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